東京
競馬場で行われた
ヴィクトリアマイル(4歳上牝、GI・芝1600m)は、松岡正海騎手騎乗の12番人気
コイウタ(牝4、美浦・奥平雅士厩舎)が馬群の最内から伸び、逃げた9番人気
アサヒライジングに1/2馬身差をつけて優勝した。勝ちタイムは1分32秒5(良)。さらにハナ差の3着には8番人気
デアリングハートが入り、2番人気
スイープトウショウは9着、1番人気
カワカミプリンセスは10着に敗れた。3連単は2,283,960円の大波乱。
勝った
コイウタは、父フジキセキ、母ヴァイオレットラブ(その父ドクターデヴィアス)、伯母にスワンS(GII)など重賞3勝のビハインドザマスクがいる血統。2歳時から重賞戦線で活躍を見せており、昨年のクイーンC(GIII)で重賞初制覇。続く桜花賞(GI)でも3着に好走した。その後、オークス(GI)で競走中止、秋華賞(GI)も17着に大敗するなど勝ち星から遠ざかっていたが、9番人気で出走した
ダービー卿CT(GIII)で2着に好走してここに臨んでいた。通算成績16戦5勝(うち地方1戦0勝、重賞2勝)。
なお、馬主は歌手の前川清さん(名義は前川企画)で、JRA・GIは初制覇。このレースには俳優の小林薫さん所有のジョリーダンスも出走していたが5着に敗れている。
■
ヴィクトリアマイル全着順
1
コイウタ 1:32.5
2
アサヒライジング 1/2
3
デアリングハート ハナ
4 キストゥヘヴン 1.1/4
5 ジョリーダンス アタマ
6 ディアデラノビア ハナ
7 アドマイヤキッス ハナ
8 ブルーメンブラット 2
9
スイープトウショウ 1/2
10
カワカミプリンセス 1.1/2
11 アグネスラズベリ クビ
12 フサイチパンドラ 3/4
13 スプリングドリュー クビ
14 サンレイジャスパー 1.1/2
15 コスモマーベラス 3/4
16 ソリッドプラチナム ハナ
17 サヨウナラ 1/2
18 ビーナスライン クビ
1着
コイウタ(松岡騎手)
「後方からのレースも考えていましたが、ペースが遅かったので前へ。スムースなレースが出来ましたし、4コーナーでも馬場のいいところの一番内側を走れました。前回のレースである程度やれるとは思っていましたが、いい脚を使ってくれました」
(奥平雅士調教師)
関東馬が関東の騎手で勝てたことがうれしい。道中の位置取りも直線で内を突いたのも良かった。
2着
アサヒライジング(柴田善騎手)
「スタートは出たなりで行こうと考えていたけど、ポンとハナを切れてマイペース。厩舎でもこの馬の最良の仕上げ方を掴んできて、いい雰囲気に仕上げてくれたからね。一旦は勝ったと思ったんだが」
3着
デアリングハート(藤田伸二騎手)
道中はしっかり折り合うことが出来た。いい
競馬が出来たと思うが、やはり勝ちたかった。
(藤原調教師)
「最後はよく伸びているんですけどね。仕上げはピカイチだったと思うし、ジョッキーもこのペースでいい位置につけて最高に乗ってくれました。
コイウタがよく走ったということだろうね」
4着 キストゥヘヴン(横山典騎手)
「後ろから行くことも考えたんですが、ペースが遅かったので前へ行かせました。結局前へ行った馬の結着だったし、よく走ってくれていると思う」
5着ジョリーダンス(安藤勝己騎手)
もう少し前に行った方が良かったかな。最後はそれなりの脚を使っている。
9着
スイープトウショウ(池添謙一騎手)
「展開が向かなかった。馬場のいいところは通っているのだが…。」
10着
カワカミプリンセス(西浦師)
「デキは良かったと思う。でもこういう結果になったのはマイルの距離を使うべきではなかったということ。
カワカミプリンセスにも武幸四郎君にも申し訳ないことをした。これで一からやり直し。何とか立て直したい」
●松岡正海騎手
JRA・GI初制覇。4月15日の皐月賞ではサンツェッペリンに騎乗し、ヴィクトリーからハナ差の惜しい2着だった。JRA重賞はオーシャンS(GIII、アイルラヴァゲイン)に続く今年3勝目、通算6勝目。
●奥平雅士調教師
5度目の出走(全て
コイウタ)にしてJRA・GI初制覇。JRA重賞はコイウタで勝った06年クイーンC(GIII)以来の通算2勝目。
●馬主・前川企画
代表は歌手の前川清さん。JRA重賞は02年東京オータムジャンプ(JGIII、ヒゼンホクショー)、06年クイーンC(GIII、コイウタ)に続く通算3勝目。
●生産者・社台ファーム
昨年のダンスインザムードに続くこのレース2連覇。ダイワスカーレットで勝った桜花賞に続き、JRA・GIは今年2勝目。
●フジキセキ産駒
カネヒキリによる05年ジャパンCダート、06年フェブラリーS(GI)に続きJRA・GIは3勝目。芝のGI、牝馬による勝利は初となる。ちなみに、交流GIではカネヒキリが05年ジャパンダート
ダービー、05年
ダービーグランプリを、グレイスティアラが05年全日本2歳優駿を制している。
●関東馬の連勝
昨年の勝ち馬ダンスインザムード(美浦・藤沢和雄厩舎)に続き、第1回から2年連続で関東馬の勝利となった。
●
アサヒライジング 9番人気で2着に好走。重賞未勝利だが、GIでは06年アメリカンオークス(米G1)、06年秋華賞(GI)に続き3度目の2着。GIには日米で7回出走しているが、いずれも5着以内に好走している。
●
カワカミプリンセス 1番人気に推されたが10着に敗退。これまで唯一の敗戦だった昨年のエリザベス女王杯(12着)は1位降着のため、今回初めて他馬に先着を許したことになる。
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