フランス・ロンシャン競馬場で行われた
凱旋門賞(芝2400m)に出走した
ディープインパクトは4コーナーを回って直線半ばで満を持して先頭に立ったが、後方をマークするように進んだ3歳馬
レイルリンク(S・パスキエ騎乗)と牝馬
プライド(C・スミヨン騎乗)に交わされ3着に敗れた。
アイリッシュウェルズが逃げ、五分のスタートを切った
ディープインパクトは2番手につける。直後に
ハリケーンラン、シロッコが続き、
レイルリンクと
プライドは中団に控えて向正面を進む。3コーナーでシロッコが
ディープインパクトの前に出て、ディープは3番手で外に出して追走。スローペースで最終コーナーまで進み、
ディープインパクトは手応え良く先頭に並んで直線へ。残り300mで先頭に立った
ディープインパクト、快挙達成かと思われたが、これを目標に中団から追い込んできた
レイルリンクが襲い掛かり、一気に交わされた。その後も馬体をあわせて差し返そうと食い下がっていたが力尽き、最終コーナーを最後方で回った
プライドにゴール前で交わされて3着に敗れた。
■
凱旋門賞全着順
1着
レイルリンク 牡3 S.パスキエ 2分31秒70
2着
プライド 牝6 C.ルメール クビ
3着
ディープインパクト 牡4
武豊 1/2
4着
ハリケーンラン 牡4 K.ファロン 2馬身1/2
5着 ベストネーム 牡3 O.ペリエ 2馬身
6着 アイリッシュウェルズ 牡3 D.ブフ 短クビ
7着 シックスティーズアイコン 牡3 L.デットーリ 4馬身
8着 シロッコ 牡5 C.スミヨン 1馬身1/2
レース後のコメント
●
武豊騎手
「悔しいですね。馬場はいい状態でしたね。ゲート入りを最後にしてもらったので、いいスタートが切れました。前半は有力馬の
ハリケーンランとシロッコが後ろにいましたが、スローになることも予想していましたし、(前で競馬をしていたことは)特に気にはなりませんでした。ずっと内にいるのは避けたかったので、道中で外に持ち出しました。ただ、直線を向いてからハミをグッと取らなかったですね。いい走りはしていましたが、ギアが一段上がらなかったという感じです。馬の状態は良かったけれども、何か難しい問題があったのかもしれません。皆さんにも十分な走りを期待されていましたし、人も馬もベストの力を出せたと思います。大きなチャンスだと思っていましたが、残念です」
●池江泰郎調教師
「ディープインパクトは正攻法で自分の力を出してくれましたし、いい経験ができました。展開がスローになると読んでいましたので、思ったとおり前で競馬ができましたね。3歳馬には要注意と言われている通り、斤量の差もあったかもしれません。このあとのことはゆっくり考えていきたいと思いますが、またこういった大きなレースに挑戦したいと思います」
レース後一日明けたコメント
●池江泰郎調教師
「残念な思いで朝を迎えました。馬が無事であることが幸いで何よりです。悔しい気持ちだけではいけないので、今後はまだ未定ですが、あきらめずに次に挑戦したい気持ちです。ロンシャン競馬場へ来られた多くの日本人のみなさまに声援をいただいたこと、また、日本でも多くの応援をいただいたことに感謝します」
●池江敏行調教助手
「自分なりにいろんな経験をさせてもらった60日でした。ただ、自分がヨーロッパの競馬・調教を経験していればとは思います。自分のことで精一杯で、ディープにもっと楽をさせてあげられたかもしれません。日々の調教やレースへの準備などその過程とレースの内容も含めて、今回の経験を次に必ず生かしたいです。日本でたくさんの方に応援していただいたのに、期待に応えられなかったのは、つらいです。申し訳ございません。今回の悔しさは必ず次へつなげます。ディープには、おつかれさん、よーがんばったね!、と声をかけてあげました。日本に帰ったらまず近江牛の焼肉が食べたいです」
●市川明彦厩務員
「60日はあっという間ではなかったですね。日本と違う調教コースがディープの体に与える影響など、心配はありましたが、順調にレースを迎えられたこと、あらためてディープの順応性の高さを感じました。ただ、ピカレスクコートと一緒にいてくれたことは、ディープの支えになりました。馬は一夜明けましたが、フレッシュな状態です。昨晩も今朝もカイ食いがよく、日本でレースを使った後と、同じ状態です。昨日はレースの馬場入場時に日本語のアナウンスが聞こえて驚きました。これもみなさまの熱意が伝わったからだと思います。ディープには、おつかれさま、よくがんばったね、無事に一緒に帰ろうな!、と声をかけてあげました」
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凱旋門賞アラカルト
●10月1日(フランスガロ発表リリース)
・
凱旋門賞当日の場内1日の売上は、91年の365万ユーロを抜いてレコード
・パスキエ旗手(GⅠ2勝目)
「馬なりでディープインパクトの後ろで競馬をすることができました。彼の“ほとばしる”走りを見せてくれました。決してアウトサイダーとは思っていませんでした」
・ファーブル調教師(
凱旋門賞7勝は史上最多)
「
レイルリンクはまだ1度しか負けていない、GⅠをすでに勝っている優れた馬。
ハリケーンランは仕方ないが、シロッコには失望した。ブリーダーズカップを目標にしたい」
・K・ファロン騎手(
ハリケーンラン)
「今日は馬場が合わなかった、それだけ」
・過去10年の一番人気の最低オッズは、03年ダラカニと、99年モンジュー(ともに1着)の2.5倍。
●10月2日
・パリターフ一面見出し
「(ファーブル調教師)7度目、(パスキエ騎手)初栄冠」(3歳馬
レイルリンク、古馬に勝つ、ディープインパクトは3着)
・PMU(場外)…日曜開催の売上、34.3百万ユーロ(昨年比1.2%ダウン)
・PMH(場外)…同一日売上、4.8百万ユーロ(昨年比55%増=日本円効果)
・入場人員…60,400名(昨年比10.9%アップ)日本人入場者数は約6,000名
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