29日、京都競馬場で行われた
天皇賞・春(4歳上牡牝、GI・芝3200m)は、石橋守騎手騎乗の2番人気
メイショウサムソン(牡4、栗東・高橋成忠厩舎)が、中団追走から2周目4角手前で先頭に立つと、外から差を詰めた11番人気
エリモエクスパイアをハナ差封じて優勝した。勝ちタイムは3分14秒1(良)。さらにクビ差の3着には4番人気
トウカイトリックが入り、1番人気の
アイポッパーは4着、3番人気デルタブルースは12着に敗れた。
勝った
メイショウサムソンは、父オペラハウス、母マイヴィヴィアン(その父ダンシングブレーヴ)という血統。05年7月に小倉でデビューし、3戦目で初勝利。昨年のスプリングS(GII)で重賞初制覇を果たすと、続く皐月賞(GI)、日本ダービー(GI)と3連勝で2冠を達成した。しかし秋緒戦の神戸新聞杯(GII)で2着に敗れると、3冠制覇のかかった菊花賞(GI)は4着、ジャパンC(GI)6着、有馬記念(GI)5着と連敗が続き、前走の大阪杯(GII)が日本ダービー以来約10か月ぶりの勝利だった。通算成績17戦8勝(重賞5勝)。
レース後のコメント
1着
メイショウサムソン(石橋守騎手)
「サムソンにありがとうと言いたいです。最後はこの馬の一番いいところを出してくれました。菊花賞の時に距離云々を言われたので、今回は絶対に勝ちたいという気持ちでした。サムソンらしいゴール前でしたね。これからもこの馬と一緒に頑張ります」
(高橋成師)
「調教師としては次を心配しなければいけないので、GIは騎手として取った方が爽快感がありますね。菊花賞のビデオを何度も見て、補えるところがないか考えたのですが、結局何も出来ませんでした。でも今日、距離と速い馬場を克服してくれて、選択肢が広がりましたね。この後は状態を見ながらということですが、宝塚、秋は
天皇賞、JC、有馬ということになると思います」
2着
エリモエクスパイア(福永騎手)
「やったと思ったんですが…。一旦は交わして先頭に立ちましたが、差し返されてしまいました。馬体を併されないように外に持ち出しましたが、交わされたところがゴールでした。調教の効果もあって、折り合いもつき、思い通りのポジションを取れました。ベストの競馬が出来ました。結果だけがベストではありませんが…。現時点での地力の差もあるのでしょう。これからまだよくなってくれると思います。エリモジョージの再現ができればよかったのですが」
3着
トウカイトリック(池添騎手)
「悔しいですね。ゲートを潜って他馬に迷惑をかけてしまいましたが、レースではうまく流れに乗れたし、折り合いに心配のない馬なので、思い切っていい位置に行きました。直線で、
メイショウサムソンと内外離れていたので、併せられたらもっと際どかったでしょう。直線は抜け出せそうな手応えでしたしね。状態もよく、自信を持って乗れたのですが、とにかく悔しいです」
4着
アイポッパー(安藤勝騎手)
「ゲートで待たされたせいもあり、スタートがいまひとつでした。もう少し前に行けていれば、結果は違ったと思います。仕掛けて行こうとしても、他の馬に前に入られたりして、思ったよりポジションが後ろになってしまいました」
5着
トウショウナイト(武士沢騎手)
「勝負をかけて
メイショウサムソンと並んで上がって行きましたが、2冠馬は強かったです。体は絞れていたし、正直雨は欲しかったけど、この馬場でも対応できました。ただ、あそこまでいったのですから悔しいですね」
6着 トウカイエリート(川田騎手)
「スタートして折り合いがつきすぎるぐらいで、仕掛けてもあまり行く気があまりありませんでした。でも折り合いを欠くよりはいいと思って、馬任せで行きました。直線はいい感じでしたが、最後は力尽きましたね」
7着 アドマイヤタイトル(四位騎手)
「馬群の中からスッと抜ける脚がないので早めに外に出して行ったら、3コーナーで少し(ハミを)噛んでしまいましたね。もう少しゆっくり行ければ、もっといい結果だったと思います。でもいずれは重賞を取れる器ですよ」
8着 ダークメッセージ(佐藤哲騎手)
「いい感じでしたし、最後もエリモに並ぶかというところまでいきましたが、内外からカットされてしまいました。その後もよく盛り返していますし、きれいに外に出せていれば…。それほど負けていないし、今後も長距離ならチャンスはありますよ」
11着 マツリダゴッホ(横山典騎手)
「リズムよく乗れたのですが、勝ったのは2冠馬ですから。この馬もよく頑張っています」
12着 デルタブルース(岩田騎手)
「早めに動いたつもりなのですが、反応が今ひとつでした。硬い馬場を気にしたのでしょうか? 去年の春の
天皇賞と同じでしたね。自分としてはイメージ通りの競馬は出来ているのですが」
(角居師)
「硬い馬場は嫌なのかな…トモが崩れるような感じで、ゴールの後止めてましたからね。状態は良かったのですが…」
13着 ネヴァブション(北村騎手)
「今日はしょうがないですね。まだ体が弱いところがあります。折り合いは問題ありませんでした」
天皇賞・春アラカルト
●石橋守騎手
天皇賞は春、秋通じて初勝利。JRA・GIは今回のパートナーである
メイショウサムソンで制した昨年の皐月賞、日本ダービーに続く3勝目。JRA重賞は同じくメイショウサムソンで勝った今年の大阪杯(GII)に続く今年3勝目で通算15勝目。
●高橋成忠調教師
JRA・GI初勝利。JRA重賞はメイショウサムソンで勝った今年の大阪杯に続く今年2勝目で通算14勝目。なお、
天皇賞・春は騎手時代に64年ヒカルポーラと70年リキエイカンで制している。
●松本好雄氏
所有馬のGI制覇はメイショウドトウの01年宝塚記念、メイショウボーラーの05年フェブラリーS、そしてメイショウサムソンで制した昨年の皐月賞と日本ダービーに続く5勝目。今年のJRA重賞はメイショウトウコンの平安S(GIII)、メイショウサムソンの大阪杯に続く3勝目で、鞍上はいずれも石橋守騎手。
●オペラハウス産駒
00年、01年のテイエムオペラオーに続く天皇賞・春3勝目。
●大阪杯からのステップ
前走大阪杯出走からこのレースを制したのは、03年ヒシミラクル(大阪杯7着)以来。大阪杯→天皇賞・春と連勝したのは90年スーパークリーク以来となる。
●2番人気馬の勝利
02年マンハッタンカフェ以来。過去には92年メジロマックイーン、93年ライスシャワー、97年マヤノトップガン、98年メジロブライトなどが2番人気でこのレースを制している。
●4歳馬の勝利
05年スズカマンボ、06年ディープインパクトに続く3年連続。今年を含めた過去10年では8勝(5歳馬が2勝)と断然の数字を残している。2着の
エリモエクスパイアも4歳で、4歳馬のワンツーは02年(1着マンハッタンカフェ、2着ジャングルポケット)以来。
●勝ちタイム
勝ちタイムの3分14秒1(良)は、ディープインパクトによる昨年の日本レコード・3分13秒4(良)に次ぎ2番目に速い。3番目はマヤノトップガンによる97年の3分14秒4(良)。
http://www/daiei.co.jp/gift/http://www.daiei.co.jp/gift/