とある女性タレントがバラエティ番組で声高にさけんでいた。「なんで
胸の大きな人のブラにまで、あのパットついてるんですか? 必要ないじゃないですか!」。
「あのパット」とは最近のワイヤーつき
ブラジャーには必ずといっていいほど付いてくる、レモン形のパットのこと。パットといえば
胸の小さい人専用というイメージだが、
Fカップブラにもそのパットはついてくる。
Aカップ女性のみなさんから苦情がでてもおかしくないか。
ところであのパット。取り外しが可能になっている場合が多いのはなぜだろう。つける人とつけない人にはどんな差があるのだろう。
まずはつけない派のご意見。
Dカップのナナミさんは「パットは捨ててます。
胸が大きいと太って見えますから」とのこと。同じく
Dカップのタエコさんは「気に入らない形になるから捨てている」とのこと。確かに「太って見える」というのは、
胸の大きな人の悩みの一つでもある。つける派のAカップのハルミさんは「礼儀としてつけてます(笑)。つけないと何も無いもん。化粧する感覚と同じです」。
Cカップのミユキさんは「30歳を過ぎてから、バストの上半分がごそっとなくなったから、谷間をつくるために使う」とのこと。
Eカップのフミさんは「なんだか片方だけ
胸が小さいので、その調整のために片方だけつけてます」。なるほど、そんな使い方もあったか。
意見はイロイロだが、ミユキさんのように「上半分がごそっとなくなった」という悩みは独女世代共通のものなのではないだろうか。そこで、カップ別に「ブラパット」効果を検証すべく、サオリさん(65A)、上記ミユキさん(70C)、そしてユカリさん(75F)の30代女性たちに、「パット使用前」「使用後」の写真を撮らせてもらった。
パットを使用していると、確かに
胸の高さは出るが、肝心の谷間ができていない。ちょっと不自然なふくらみになっている。フィット系のシャツや、胸元の開いた服を着るときは、パットを使用しないほうが自然。ふんわりシャツを着るときは、パットがあったほうが胸が大きく見えていいかもしれない。サオリさん自身はパットを使うんだろうか。「あんまり変わらない気がするし、あってもなくてもいい。でもワイヤーつきじゃないやわらかいブラに、やわらかいパットがついてたらいいなーって思います」とのこと。
つぎにミユキさんの写真。
非常に微妙だがパット付きのほうに谷間ができている気がする。「でもね。勝負時はパットはつけていきません。やっぱりギャップがありますもんね」とのことだ。
最後にユカリさん。明らかにパットを使った方が大きい。ただでさえ大きな胸なのに、パットを使う理由はあるのだろうか。「とにかく、下に入れて持ち上げる、支えるためにパットを駆使してますね。一時、シリコンみたいな(ウォーターベッドみたいなパッド)胸全体を包むパッドが流行りましたが、ああいうのはだめですね。余計に胸の形が変になります」。うーむ。大きな胸は重力に弱い。その重力に逆らうべくパットを入れているというわけか。
今回の検証だけで考えると、あのレモンパットは「胸の小さい人」よりも「胸の大きい人」に効くようにできているように思える。ここは
下着メーカーさんにさらなる努力を願いたいところ。
思えば「寄せてあげる」ブラを発売して以来、
下着メーカーと地球重力との仁義なき戦いは続いている。不自然さに悩むAカッパーズのみなさんも、重たさに悩むFカッパーズのみなさんも、
下着メーカーはどんどん要望を突きつけていく方がいい。それから「パットなんて詐欺だ!」と叫ぶ男性陣の声は、とりあえず「聞こえないフリ」だ。