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テイクオーバーターゲット (Takeover Target)=オーストラリア
せん・7歳・鹿毛 (オーストラリア産 1999年9月27日生まれ)
父 : Celtic Swing
母 : Shady Stream (母の父:Archregent)
馬 主 : J.ジャニアック
調教師 : J.ジャニアック
騎 手 : J.フォード
戦 績 : 通算22戦12勝
主な勝ち鞍 : 06ニューマーケットH (G1、オーストラリア)
06ライトニングS (G1、オーストラリア)*GSC第1戦
06キングズスタンドS (G2、イギリス)*GSC第3戦
テイクオーバーターゲットは、1999年9月27日生まれのオーストラリア産です。生産者は、メリンゴ・スタッドファーム。8月から翌年7月までを1年の競馬シーズンとする豪州では、2006年8月から7歳となりましたが、1月1日付けで加齢する北半球暦の欧米や日本で出走する際は、2006年1月から7歳の扱いとなります。
本馬は、オーストラリアで18戦11勝(うちG1 3勝)の好成績を残したあと、英国で3戦し、G2を1つ勝っています。英国へ向かったのも、その後日本に参戦するのも、今年から豪、英、日、香港(中国)の4カ国に拡大されて行われているグローバル・スプリント・チャレンジで優勝の可能性があるからです。
このシリーズは、豪G1のライトニングSとオーストラリアS、次いで英G2キングズスタンドSと英G1ゴールデンジュビリーSと続き、その後が日本の2戦。9月10日の
セントウルS(GII、中京芝1,200m)、10月1日の
スプリンターズS(GI、中山・芝1,200m)を経て、12月10日の
香港スプリント(G1、シャティン・芝1,000m)が最終戦です。
本馬は、シリーズ緒戦のライトニングSを勝ち、2戦目をパスした後、英国の2戦が1、3着。この後日本と香港の3戦すべてに出走の予定と伝えられています。各レースとも1着から5着まで10、5、4、3、2ポイントとし、6着以下は1ポイント。ただし、遠征馬のポイントは2倍とし(G1レースのみ)、3カ国以上で出走して、最高ポイントを獲得した馬が優勝馬となります(ただし41ポイント以下なら資格なし)。さらにボーナス規定があり、全4カ国に出走し、3カ国でG1を3勝以上した馬に100万米ドル(約1億1700万円)が授与されます。
本馬はすでに豪G1のシリーズ対象レースを1勝しており、あと日本の
スプリンターズSと
香港スプリントを勝てば、ボーナス賞金を獲得することができます。現時点でのポイントは28で、2位のレザーク(ゴールデンジュビリーS優勝)に17ポイント差をつけてトップ。シリーズ優勝の最短ラインまであと14ポイントです。
本馬は、この8月9日に発表された05/06年の南半球暦ランキングでレーティング119を与えられ、第8位タイに推されました。これは、05/06年のシーズンにオセアニアや香港、ドバイ、南アなどで調教された馬、出走した馬を対象としたランキングで、スプリント部門では、香港の
サイレントウィットネス(昨年10月の中山
スプリンターズS優勝)の121に次ぎ、堂々の第2位となります。
テイクオーバーターゲットは、2003年のセリ市でわずか1250豪ドル(約11万円)の安値で、ジョセフ・ジャニアック調教師に購買されました。ただしジャニアック調教師は、この馬に出会うまで30年間をパート・トレーナーとして過ごし、生計を立てるためタクシードライバーを続け、パン屋で働いていたこともあるといいます。
本馬の初出走は、2004年4月23日、地元のクインビヤン競馬場で行われた未勝利戦(1,200m)。ここはシドニー地区で活躍するJ.フォードが騎乗し、2着のラスタファリに7馬身差の圧勝。9頭立てのレースで、早々と非凡なところを見せました。フォード騎手はこの後2005年11月のジエイジクラシック(G2、着外)を除き、本馬のすべてのレースに騎乗しています。
テイクオーバーターゲットの快進撃は続きます。第2戦から一般競走を3連勝、さらに準重賞を2つ勝ったあと、5歳になってすぐの2004年10月30日、サリンジャーS(芝1,200m)でG1初挑戦初勝利を飾ります。レースは、メルボルン郊外のフレミントン競馬場に16頭を集めて行われ、2着のリカーリングに1馬身1/2の差をつけました。良馬場の勝ちタイムは、1分8秒2。
これでデビューから7連勝としましたが、6ヶ月の休養を経て戦列に戻ると、しばらく勝てないレースが続きます。2005年5月のドゥーンベン10,000(G1、1,350m)の短頭、短頭の3着など惜しいレースもありましたが、6戦して勝てず、6歳時2005年12月のサマーS(G3、1,200m)で久々の勝利。18頭の多頭数でしたが、59.5キロを背負って後続を約6馬身突き放し、勝ちタイムの1分7秒8は、ドゥーンベン競馬場(ブリスベン郊外)のコースレコードでした。
これで完全復調となり、今年2月にはすでに触れたライトニングS(フレミントン、1,000m)で、2つ目のG1勝ち。ここは好発から先行し、残り300mで先頭に出ると、際どくアタマ差でゴッズオウンの追撃を抑えたもの。良馬場の勝ちタイムは56秒8。レースは11頭立て。単4.2倍の本命でした。
続くオークレイプレート(G1、1,100m)は3着でしたが、今年3月のニューマーケットH(フレミントン、1,200m)でG13勝目。好スタートから好位につけ、ゴール間際で1/2馬身抜け出ました。14頭立て。良馬場の勝ちタイムは、1分8秒0。
このあと英国へわたり、アスコット王室競馬で2戦します。まず6月20日のキングズスタンドS(G2、1,000m)に向かうと、好位マークからよく伸び、2着のベンバウンにハナ差の勝利を収めます。レースは28頭立てとなり、直線コースの内、外の2つに分かれた馬群のうち、スタンド寄りの集団から抜け出ました。ここはオッズ8倍の2番人気タイで、良馬場の勝ちタイムは標準タイムより少し速い59秒7でした。
このわずか4日後、同じアスコットのゴールデンジュビリーS(G1、1,200m)に出走し、オッズ4.5倍の1番人気に支持されましたが、レザーク(キングズスタンドS11着)から、クビ、2馬身差の3着に敗れました。いったん先頭から差され、最後は右にもたれる場面もありました。同じ豪州馬のシュワジールが、2003年に今回同様の英2戦を連勝しましたが、その快挙を繰り返すことはできませんでした。
その後、7月14日のジュライC(英G1、ニューマーケット1,200m)に出走し、いったん先頭からレザークの7着に敗れました。着差は2馬身ほどでした。
テイクオーバーターゲットは、このレース以降は日本、香港で開催されるグローバル・スプリント・チャレンジ対象レース(3戦)に照準を定めます。8月31日には来日、アジアで行われるスプリントシリーズ初戦の
セントウルSに臨みました。
そして9月10日、中京競馬場で行われた、グローバル・スプリント・チャレンジ第5戦の
セントウルS(GII、1,200m)では、単勝5.3倍の2番人気。J.フォード騎乗で、スタートから早め2、3番手で進み、コース内側に位置を取り、最終コーナーを回って残り直線200mで先頭に抜け出すも、大外から、1番人気シーイズトウショウの強襲にあい、3馬身差の2着。敗れはしたものの、シリーズランキングトップの実力を示しました。
<血統>
父のセルティックスウィングは1995年の仏ダービー馬。母のシェイディストリームは不出走。祖母のメリーシェイドは豪準重賞2勝など3勝し、豪G1のAJCサイアーズプロデュースS3着。母父のアーチリージェントは名種牡馬ヴァイスリージェントの直仔。
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テイクオーバーターゲット号 関係者プロフィール
★馬主:ジョセフ・ジャニアック氏(Joseph Janiak)
1947年6月13日生まれ。オーストラリア国籍。同馬の馬主兼調教師であるが、本業はタクシー運転手。(現在は、調教師業が多忙なため休業中)。
首都キャンベラに程近い町クインビヤンに長らく居住するも、現在NSW州北部の町コフスハーバーに、住居を兼ねた新きゅう舎を建築中。
調教師として約30年のキャリアを持ち、NSW州のカントリー開催を中心に通算で約100勝をあげるものの、テイクオーバーターゲットにめぐり会うまで、メトロポリタン開催での勝利はゼロであった。
2003年7月の競走馬“ガレッジセール”で、脚部(膝)に難を抱えていたテイクオーバーターゲット(当時3歳・未出走)を、1250豪ドル(日本円で約11万円)という安値で購入し、約9ヶ月後のデビュー戦からあっという間の7連勝で、見事G1馬に育て上げた。
テイクオーバーターゲットの活躍とともに、同氏の個性的で飾りっ気のない言動は、しばしば馬以上に注目を集め、一躍豪州競馬界の人気者となった。現在同馬を含めて約10頭を所有するオーナートレーナーであり、来日は今年が初。
★調教師:ジョセフ・ジャニアック氏(Joseph Janiak)
馬主の欄参照。
★騎手:ジェイ・フォード騎手(Jay Ford)
1983年11月24日生まれ。オーストラリア国籍。彼の父親が競走馬を数頭所有していたことから、幼少の頃から馬に興味を持つようになり、よく父親に連れられてきゅう舎や競馬場に行っていた。
2001年1月にNSW州ケンブラグランジ競馬場で騎手デビュー、同年3月に初勝利をあげる。その後は、シドニー地区を拠点に着実に勝利を積み重ね、2003-04年シーズンに、シドニー地区の見習騎手リーディング首位を獲得。
2004-05年シーズンには、テイクオーバーターゲットとのコンビでG1初優勝を飾る(サリンジャーS)。同馬の全21戦中20戦に騎乗し、全勝星をあげるとともに、現在の通算勝利は340勝を超える。
2005-06年の昨シーズンは、NSW州で通算58勝、そのうちシドニー地区では29勝をあげ、リーディング12位。趣味は、テニス、ゴルフ他スポーツ全般。シドニー地区期待の若手ジョッキーのひとりである。今回が初来日。
主な勝ち鞍:04サリンジャーS(豪G1)、06ライトニングS(豪G1)、06ニューマーケットH(豪G1)、06ランドウィックギニー(豪G1)、06キングズスタンドS(英G2)など。
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テーマ : 競馬情報
ジャンル : ギャンブル