20日、東京競馬場で行われた
オークス(3歳牝、GI・芝2400m)は、
福永祐一騎手騎乗の5番人気
ローブデコルテ(牝3、栗東・松元茂樹厩舎)が中団から直線で外に持ち出して伸び、先に抜け出した1番人気
ベッラレイアをハナ差捕らえて優勝した。勝ちタイムは2分25秒3(良)。さらに3/4馬身差の3着には8番人気
ラブカーナが入り、2番人気ザレマは10着に敗れた。
勝った
ローブデコルテは、父Cozzene、母Color of Gold(その父Seeking the Gold)という血統の米国産馬。従姉に03年牝馬三冠を達成したスティルインラブ、従兄に96年ラジオたんぱ賞(GIII)の勝ち馬ビッグバイアモンがいる。05年のキーンランドセプテンバーセールにて18万ドルで落札されていた。
昨年7月のデビュー戦(函館・芝1800m)を制すと、続くコスモス賞(OP)でナムラマースの2着。阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)では4着だった。今年は1月の紅梅S(OP)で2勝目を挙げ、チューリップ賞(GIII)5着、桜花賞(GI)4着からここに臨んでいた。通算成績8戦3勝(重賞1勝)。
オークス全着順
1
ローブデコルテ 2:25.3
2
ベッラレイア ハナ
3
ラブカーナ 3/4
4 ミンティエアー クビ
5 ピンクカメオ 1.1/2
6 マイネルーチェ 1
7 レインダンス 3/4
8 ミルクトーレル 3/4
9 トウカイオスカー 1.1/4
10 ザレマ 2
11 ハロースピード ハナ
12 アマノチェリーラン 3
13 カタマチボタン 1.1/4
14 アドマイヤスペース 1.1/4
15 ラストベガ クビ
16 ザリーン クビ
17 ウィンナワルツ 1/2
18 スマートストーム 9
オークスコメント
1着
ローブデコルテ(福永騎手)
「桜花賞はスタートで失敗していたので、スタートだけ気をつけました。うまく切れて内ラチ沿いをうまく進めました。やや掛かるところもあったんですが、すぐに落ち着いてくれて、これならと思う手応えでしたね。流れは速いという感じではなくて、スムースでしたよ。直線でミンティエアーの内から抜けようと思ったんですが、うまくいかないので外へ立て直しました。長くいい脚を使う馬ですから、よく伸びてくれました。勝ったとは思ったんですが、四位さんが『謙虚に行っとけ!』と言うもんですからダートコースを戻ってきました」
2着
ベッラレイア(秋山騎手)
「今日はスタートも普通に出てくれたし、道中もとにかくスムース。最後も期待通りに伸びてくれたんだけどなぁ。最後は勝った馬の決め手が一枚上だったね。思った通りの競馬は出来たんだけどね…」
(平田修調教師)
わずかな着差で勝てなかった。運がなかったということ。結果的にワンパンチ足りなかったか。
3着
ラブカーナ(菊沢隆徳騎手)
直線ではいい脚を使ってくれたが最後は脚色が一緒になってしまったね。
(中村調教師)
「位置取りは中団でという指示だったけれど、少し2400mを意識したのかな。少し後ろの位置取りになってしまったね。一瞬『やった』と思ったんだけど…。目一杯に仕上げていたんだけどね」
4着 ミンティエアー(蛯名騎手)
「勝ちパターンに持ってきたんだけど、最後は脚色が一緒になっちゃったね。キャリアの浅い馬だし、これからだね」
5着ピンクカメオ(四位洋文騎手)
距離はもう少し短い方がいいが、折り合いがつく分、距離の融通も利くね。頑張って走っている。
10着 ザレマ(
武豊騎手)
「2000mと違うからねぇ。やっぱり最後はお母さんの血が出たのかな? 2000mまでかもね」
13着 カタマチボタン(藤田騎手)
「無理していないし、掛かってもいないし、それで自然に道中は好位の位置取り。この形で負けたんだからお手上げ」
オークスアラカルト
●
福永祐一騎手
04年ダイワエルシエーロ、05年シーザリオに続き
オークス3勝目。現役では
武豊騎手と並ぶ最多勝。昨年はフサイチパンドラで2着しており、4年連続の連対となった。JRA・GIは昨年のエリザベス女王杯(フサイチパンドラ)以来の通算13勝目。JRA重賞は先週の京王杯SC(GII、エイシンドーバー)に続く2週連続の勝利で、今年2勝目、通算60勝目。
●松元茂樹調教師
オークス初制覇。クラシックレースも初。JRA・GIは03年NHKマイルC(ウインクリューガー)以来約4年ぶり。他にビリーヴで勝った02年スプリンターズS、03年高松宮記念など。JRA重賞は04年京都ジャンプS(JGIII、クールジョイ)以来約3年ぶりの勝利で通算23勝目。03年のオークス馬(牝馬三冠)スティルインラブは実兄の松元省一調教師が管理しており、兄弟でオークス制覇となった。
●Cozzene産駒
アドマイヤコジーンによる98年朝日杯3歳S、02年安田記念に続くJRA・GI3勝目。JRA重賞は02年デイリー杯2歳S(GII、シルクブラボー)以来約4年7か月ぶりの勝利。
●馬主・前田幸治氏
ビリーヴで勝った02年スプリンターズS、03年高松宮記念、ロジックで勝った06年NHKマイルCに続くJRA・GI4勝目。03年牝馬3冠を制したスティルインラブも、代表を務めるノースヒルズマネジメント名義で所有していた。
●外国産馬
クラシック勝利は史上初。02年日本ダービーでのシンボリクリスエスによる2着がある。
●勝ちタイム
2分25秒3(良)は、90年エイシンサニーの2分26秒1(良)を0.8秒上回る17年ぶりのレースレコード。
●初重賞がオークス
ローブデコルテはこれが初重賞制覇。昨年のカワカミプリンセスに続き、2年連続で重賞未勝利馬の勝利となった。