東京競馬場で行われたNHKマイルC(3歳牡牝、GI・芝1600m)は、
内田博幸騎手騎乗の17番人気
ピンクカメオ(牝3、美浦・国枝栄厩舎)が後方から直線大外に持ち出して伸び、先に先頭に立った1番人気
ローレルゲレイロを1/2馬身差交わして優勝した。勝ちタイムは1分34秒3(稍重)。さらに1/2馬身差の3着には最低人気の
ムラマサノヨートーが入り、3連単は9,739,870円の大波乱となった。
勝った
ピンクカメオは、父フレンチデピュティ、母シルバーレーン(その父Silver Hawk)、半兄に99年スプリンターズS(GI)、01年安田記念(GI)など重賞5勝のブラックホーク(父Nureyev)、叔父に89年セクレタリアトS(米G1)などG1・3勝のホークスターがいる血統。04年7月のセレクトセールにて7100万円で落札されていた。
昨年7月に福島でデビュー勝ちを収めると、3戦目のくるみ賞(500万下)で2勝目。続く阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)では8着に敗れたが、年明けの菜の花賞(OP)で3勝目を挙げた。今回が前走の桜花賞(14着)に続く3度目のGI挑戦となり、初の重賞勝ちをGI制覇で飾った。通算成績7戦4勝(重賞1勝)。
NHKマイルカップ全着順
1
ピンクカメオ 1:34.3
2
ローレルゲレイロ 1/2
3
ムラマサノヨートー 1/2
4 シベリアンバード アタマ
5 トーホウレーサー 1.1/4
6 ダノンムロー ハナ
7 ハイソサエティー 1.1/4
8 マイネルシーガル 2.1/2
9 シャドウストライプ クビ
10 ダイレクトキャッチ ハナ
11 アサクサキングス 1/2
12 オースミダイドウ クビ
13 ワールドハンター 3/4
14 ゴールドアグリ クビ
15 マイネルレーニア 1/2
16 マイネルフォーグ アタマ
17 イクスキューズ ハナ
18 キングスデライト 1/2
NHKマイルカップコメント
1着
ピンクカメオ(内田博騎手)
「道中は折り合いがついていました。直線で行くところがなく、外に出したら反応してくれました。これは入着はあるなと思っていたら、どんどん勢いが良くなりました。牡馬相手によく頑張ってくれました。GIを勝つという夢が叶いました。次の夢はクラシックの勝利ですね」
国枝栄調教師
ブラックホークの安田記念を思わせる勝ち方だった。栗東に滞在したことでパワーアップしたと感じていたが、まさかここまで走ってくれるとは。
2着
ローレルゲレイロ(昆師)
「よく我慢はしていましたが、やはり良馬場でやりたかったですね。道中の手応えからもっと弾けてくれると思っていました。皐月賞でもいいレースをしていたので、この後はどうするか考えます。2勝目はいつになるのでしょう」
3着
ムラマサノヨートー(小林淳騎手)
「気分よく馬任せで行かせました。流れにもうまく乗れました。馬にとってもいい勉強になったと思います」
4着シベリアンバード(田中勝春騎手)
「やったかと思ったね。ちょっと早かったかな。力は出し切ったと思う。」
5着トーホウレーサー(四位洋文騎手)
「前半少し行きたがったのがロスになった。具合が良すぎたのかな。」
8着 マイネルシーガル(後藤騎手)
「敗因は馬場です。3~4コーナーでノメってしまいました」
9着 シャドウストライプ(安藤勝騎手)
「馬場の良いところを選び、気分よく回って来られました。手応えに余裕はあったのですが、いざ追ってみるとバランスを崩して内にモタれてしまいました」
10着 ダイレクトキャッチ(北村騎手)
「いい時の走りではありませんでした。馬場を気にしていたのか、道中はハミを取らずにいましたが、その分、折り合いはついていました。ただ、追い出してからもハミを取ってくれませんでしたね。沈んでくれませんでした」
11着 アサクサキングス(大久保龍師)
「結果的に内枠がこたえたようですね。今後は未定です」
16着 マイネルフォーグ(川田騎手)
「道中で他の馬にぶつけられてしまい、馬がシュンとしてしまいました」
NHKマイルカップアラカルト
●
内田博幸騎手
JRA・GI初制覇。05年朝日杯フューチュリティS(スーパーホーネット)で2着が1回あった。JRA重賞は昨年のオーシャンS(GIII、ネイティヴハート)以来の通算5勝目。
●地方所属騎手
内田博幸騎手は大井・荒井隆厩舎所属。地方所属騎手がJRA・GIを勝ったのはメイセイオペラで99年フェブラリーSを制した菅原勲騎手(岩手)、デルタブルースで04年菊花賞を制した岩田康誠騎手(兵庫 ※現JRA)に続く3人目。
●国枝栄調教師
このレース初制覇。JRA・GIは
ピンクカメオの半兄であるブラックホークによる99年スプリンターズS、01年安田記念に続く約6年ぶり3勝目。JRA重賞は今年のAJCC(GII、マツリダゴッホ)以来の今年2勝目、通算9勝目。
●フレンチデピュティ産駒
01年のクロフネに続くこのレース2勝目。JRA・GIは他にクロフネのジャパンCダートがあり、通算3勝目。交流GIは01年JBCスプリント(ノボジャック)、06年ジャパンダートダービー(フレンドシップ)に勝っている。JRA重賞は5日の新潟大賞典(GIII、ブライトトゥモロー)に続く2日連続の勝利で今年2勝目、通算10勝目。
●
金子真人ホールディングス
馬主の
金子真人ホールディングスは、01年クロフネ、04年キングカメハメハに続く同レース3勝目。JRA・GIは17勝目。
※以前の「
金子真人」名義を含む
●パカパカファーム
生産者の新冠・パカパカファームはJRA重賞初制覇。これまでは05年デイリー杯2歳S(GII、ダイアモンドヘッド)の2着が最高。
●関東馬の優勝
創設された96年以来6頭目。関西馬も6頭で並んだ。
●牝馬の優勝
97年シーキングザパール、05年ラインクラフトに続く3頭目。
●配当
単勝配当7,600円は、03年ウインクリューガー(2600円)を大幅に上回る同レース最高配当。複勝(18番)3,900円、馬連30,800円、ワイド(14-18)58,890円、馬単85,620円、3連複1,221,770円、3連単9,739,870円も同レース最高配当。3連単の配当はJRA歴代4位、重賞レースとしては史上最高配当となった。