日本経済の雲行きもあやしくなり、ますます家計は厳しいご時世。そんななか注目したいのが、クレジットカードのポイント還元サービスで、今や節約の常識ともなりつつあるマイレージプログラム。それも飛行機に乗らずにためる「陸(おか)マイラー」のノウハウをご紹介しよう。
マイレージのポイント還元サービスで多いのは、1000円のクレジット利用で1ポイント、1000ポイントで5000円分のギフトカードがもらえるというもの。つまり100万円で5000円の得だが、マイルの還元率を平均100円=1マイルとすると、約150万円(=1万5000マイル)で国内や韓国・ソウルの往復搭乗券がゲットできる。
ここで、「100万円以上もカードで買い物しないから自分には無理」と思った人は、“陸マイラー”の常識を知らずに損をしている。本紙連載「ポイント稼ぎ術」や、「陸マイラーで行こう! らくらく貯まる マイレージ超入門」の著書もあるおがわゆう氏によると、「年収額にかかわらず、世帯主の誰もが最低年間200―300万円以上は使っています。それをできるだけクレジットカードで支払うようにすればいいのです」。
たとえば、定期的に支払うNHK受信料、電気、ガス、携帯電話、プロバイダの各社はほぼカード扱いがある。公共料金だけでも家族持ちなら月3―4万円、通信費も1―2万円。その他、住まいが賃貸でクレジットカードが使えれば、年間150万円、毎月12万6000円は意外とクリアできてしまうのだ。
電子マネーを使ってポイントを稼ぐ手もある。お金をチャージして使うedy(エディ)が代表的だが、最近は、ある程度(3万円程度)使った後、カード会社が差し引く「ポストペイ」方式のものも増え、お金と同様かそれ以上に素早く買い物ができ、マイルもためられる。こうした情報は各航空会社のサイトなどでチェックできる。
実際には使用するクレジットカードのポイント還元率次第でたまるマイル数は変わるが、日々の食事や買い物でもがんばれば毎年海外旅行に、がんばらなくても、公共料金等の支払いで必要な手続きをとっておけば、3年で国内旅行程度は行けるようになるのだ。
おすすめのカードと、航空券獲得に必要なマイル数は別表の通り。ハワイは4万マイルで、以前はカード支払いのみの約200万円で無料航空券を手に入れている人もいる。ただ、やはり飛行機に乗ることが、マイルをためる一番の近道ではあるようで、航空会社側でも、年1、2回の搭乗を含め、ごく普通に生活してマイルをためることで「3年で夫婦が国内旅行に行ける」程度を想定している。
そのため全日本空輸(ANA)はすでに、これまでプログラムに入会した年の翌々年末までだった有効期限を、丸3年に変更。日本航空(JAL)も今年3月から変更する。また、JALはSuica、PASMOのポイント移行を行っているが、ANAも今夏Suicaの提携カードを出す予定。マイルをためる機会は、両社の競争によりさらに増える傾向にある。さあ、今年こそ!
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■おすすめカード■
◆JAL
・JALカード(普通):会費2100円(初年度無料)。ショッピングマイルプレミアム参加登録(年間2100円)で、通常1マイル=200円が100円に。
・JALカードSuica:Suicaの機能を組み込み、JR東日本への支払い、Suica分のクレジットカード決済でチャージ利用した場合、1000円ごとに6ポイントのビューサンクスポイント付与。PASMOもチャージ可能。
・JALカードTOP&ClubQ:マイルと同時に東急グループの「TOKYUポイント」「クラブキュウポイント」もたまる。
◆ANA
・ANA(三井住友)VISAカード:リボ払いの「マイ・ペイすリボ」登録すれば、ポイントが倍、一般カードの年会費も無料に。
・楽天カード:入会金・年会費無料。楽天でのネットショッピング代金を、コンビニでedy払いが可能。楽天ポイントもマイルもためられ、年1回利用すれば無期限にためられる。
・ライフカード:ANAマイレージクラブ移行プログラムは参加登録費・移行手数料が無料。誕生月にはポイントが5倍に。
■主な行き先別必要マイル(JAL・ANA共通)■
国内・ソウル 1万5000マイル
香港・グアム 2万マイル
シンガポール 3万5000マイル
ハワイ 4万マイル
ニューヨーク 5万マイル
パリ 5万5000マイル
http://www.yukan-fuji.com/archives/2008/01/post_12415.html