中京11Rの第37回高松宮記念(4歳上GI・芝1200m)は1番人気スズカフェニックス(武豊騎手)が優勝、GI初制覇を飾った。勝ちタイム1分8秒9。
序盤は14番人気ディバインシルバー、3番人気エムオーウイナーらがレースを引っ張る展開。5番人気シーイズトウショウ、2番人気プリサイスマシーンらも先団につけ、4番人気マイネルスケルツィ、スズカフェニックスらは中団を進んだ。直線入り口で馬群は横一線となったが、馬場の外めを突いたスズカフェニックスが直線半ばで抜け出しそのままゴールイン。同じく外を追い込んだ13番人気ペールギュントが2着、しぶとく伸びたプリサイスマシーンが3着となり、3連単は546,450円の大波乱決着となった。マイネルスケルツィは6着、エムオーウイナーは7着、シーイズトウショウは8着にそれぞれ敗れている。
1着 8番スズカフェニックス(武豊騎手)
「強かったですね。位置取りはスタートしてから考えようと思っていましたが、こうなればいいと考えていたようになりましたね。道悪は未知でしたが、馬の状態が最高に良かったのでその分こなしてくれました。初めての距離でどうかと思ったんですが、1600mのときより強かったですね。もともと安田記念を目標にするところなんでしょうが、状態がいいのでここを狙ってきたんだと思います。まだ若さはありますが、デビュー前から厩舎で期待していた馬がようやく本格化したということでしょう」
(橋田満調教師)
「アドマイヤマックスと同じ騎手、同じようなレース内容でしたね。武豊騎手が上手く乗ってくれました。武騎手とはレース前に馬場が重いと話していたので、いつもより早め早めの競馬をしてくれました。次走は安田記念に向かいます。直行するかレースを挟むかは馬の状態を見て決めます」
2着 17番ペールギュント(上村洋行騎手)
「外枠でうまく流れに乗りながら、勝った馬を前に見ながら進むことができました。これまで中距離を使って折り合いに難があったので、1200mが良かったのでしょう。この馬も伸びているのですが、勝ち馬が一枚上でした。中京芝1200mで走ったのですから、これからは1200~1400mぐらいの方がレースをしやすいのではないでしょうか」
3着 11番プリサイスマシーン(安藤勝己騎手)
「いい位置につけられたが、3コーナーでなんだかモタモタしてしまったね。左回りのせいなのか、馬場のせいなのかはわからないけど……。それでまた伸びているのだからもったいなかったね」
4着 4番ビーナスライン(秋山真一郎騎手)
「他馬を怖がるので外を周るしかない馬。18頭の多頭数で外を周るのは厳しいですね。最後はいい脚を使っていますし、まだまだ頑張ってくれそうです」
5着 16番オレハマッテルゼ(後藤浩輝騎手)
「ここまでの成績を考えればよく頑張ってますが、力を出し切っていない感じ。物足りない感じもあります。今日の状態ならもっといい手応えで4コーナーを周ってくるはずなのですが、年齢的に少し大人しくなってきたのもあるのでしょうか」
6着 9番マイネルスケルツィ(柴田善臣騎手)
「少しペースが落ち着きすぎたね。もう少し流れてくれれば良かったんだけど」
7着 12番エムオーウイナー(小牧太騎手)
「ペースが速くなくて、あんなにスンナリ行けるとは思いませんでした。2番手で手応えもあったのですが、最後は止まってしまいました。やはりGIですね。これからもっと力をつけてくれると思います」
8着 1番シーイズトウショウ(池添謙一騎手)
「いいスタートを切れたし、最後も止まってないんだけど……。馬場かな」
10着 13番タマモホットプレイ(渡辺薫彦騎手)
「馬場のせいでまったくハミを取らず、おっつけ通しだった」
11着 5番ディバインシルバー(穂苅寿彦騎手)
「最後まで止まらずによく頑張っています。自分のレースはできました」
12着 7番スピニングノアール(福永祐一騎手)
「ある程度の位置について行った分、終いが甘くなってしまった。ソロッと行っていたら違っていたかも」
13着 2番アンバージャック(横山典弘騎手)
「馬体は前走より良かったが、この時期はあまり良くないのかも。暖かくなればもっとやれると思う」
14着 サチノスイーティー(吉田隼人騎手)
「馬場が悪く、予定通りの位置取りも4コーナーでノメって反応が悪くなってしまいました」
18着 10番モンローブロンド(岡部誠騎手)
「流れについていけませんでした」
●1番人気
戦前から混戦模様だったが、勝ったのは1番人気スズカフェニックス。高松宮記念はGIになった平成8年以降、1番人気で勝った馬が平成13年のトロットスターしかいなかった。
●武豊騎手
武豊騎手は3月4日に弥生賞を制して以降、フィリーズレビュー、阪神大賞典、高松宮記念と4週連続の重賞勝利。これは自身4度目の記録となる(最長は平成10年に記録した6週連続)。またこの勝利で、デビュー2年目から20年連続のGI制覇を達成した。
●サンデーサイレンス産駒
サンデーサイレンス産駒はこれで高松宮記念3連覇。
●母系も後押し
スズカフェニックスの母ローズオブスズカの1つ上の兄には、平成9年の高松宮記念を制したシンコウキングがいる。
●レース史上最高配当
馬連、ワイド(2着=3着の組み合わせ)、馬単、3連複、3連単でGI昇格後の最高配当を記録した。