みんながおもしろいと言うし、まぁおもしろいんだけど、何か気になるんだよなぁとずっと心の中で疑問符を温めつづけている存在が“
キム兄”こと
木村祐一(44)だ。
先月放送の「人志松本のすべらない話ザ・ゴールデン」(フジテレビ)ではグランプリを獲得していたし、今やけっこうな知名度と人気を獲得しつつあるように思う。
私にとって、
キム兄を考えさせられるきっかけになったのが、通信販売大手「セシール」のキャンペーンだった。通販愛好家の私のところに、同社から「抽選で当たる!あの有名人と過ごすスペシャルなひととき」みたいな告知メールが来たのは昨年のこと。満を持して発表されたその有名人が
キム兄だったときの戸惑いといったら……。
だいたい「キム」はともかく「兄」って何だ。誰の兄なのか。言わずもがなでダウンタウンファミリーにとっての「兄貴分」なんだろうけど、テレビを見ている側にとっては「兄」でも何でもない。それなのに、
キム兄はいちいち「兄」だ。
千原ジュニアでも
辺見えみりでも、本人以外が語るなら別にいい。でもこの人の場合、本人の言にも「世話焼き」で「人情味ある」オレがふんだんに詰まっている。言ってみれば「兄」の押し売り状態である。
なんて考えると、この人のマルチな活躍ぶりとそれに対する世間の受け入れ方にも合点がいく。
例えば料理。
キム兄は今やグッチ裕三の次くらいに書店に料理本を並べる男性タレントだ。そのキモは「おいしい手料理を振る舞ってくれそうな兄貴」ってとこにあると思う。
キム兄レシピってそんなにすごいか。
いや、そうじゃない。キム兄の“兄貴っぷり”が高じて、「キム鍋」その他あらゆる「キム○○」の価値まで高まっているような気がしてならない。
そうやって“隠れ弟・妹属性”の人々の心の隙間に忍び込むように、キム兄は日本酒や缶コーヒーのCMから、ドラマや映画、主婦向けの料理イベントにまで活躍の場を広げている。“違いの分かる大人の男”として認定される日も間近に迫っているかのような勢いである。
果たして、根っからの兄貴気質の人々はこの事態をどう見ているのか。今度、周囲の“リアル兄貴”たちに聞いてまわろうっと。
ソース:ゲンダイネット 続きを読む