今年の
凱旋門賞は少頭数で争われることが確実な情勢で
ディープインパクトにとって有利になりそうだが、逆に不利だという仰天情報が流れてきた。有力3頭を抱えるフランスのA・ファーブル厩舎が、さらに
ラビットを用意してディープ包囲網を敷く可能性があるというのだ。不利な状況をどう克服するか。勝てば、ますますディープの評価は上がることになる。なお21日に1週前追い切りを終えたディープは22日も元気一杯。気持ち良さそうにハッキング(軽いキャンター)を消化した。
「頭数が少なくなると、むしろディープは危ないのではないか」
凱旋門賞が近づくにつれて、現地の関係者からこんな衝撃的なコメントが聞かれるようになっている。
今年の
凱旋門賞は
ディープインパクト、
ハリケーンラン、
シロッコの“3強”との対戦を嫌い、回避馬が続出。カラカラが勝った1946年(9頭)以来60年ぶりに出走頭数が10頭を下回る可能性が出ている。ディープのように後方から競馬をする馬にとっては、道中バテて下がってくる馬をさばかなくて済む分、頭数が少ない方が有利に思える。
ところが、現地の関係者は逆で「頭数が少なければ、包囲網を敷きやすくなる」というのだ。
チリ出身で南米、米国、イタリアに拠点を移して活躍したサンチャゴ・ソト騎手が95年春に来日。週刊Gallop誌上で岡部幸雄氏と対談した時、「日本の競馬は本命馬が(馬群から)出られなくなるようなレースがないので、フェアだと思う。ヨーロッパでは本命馬が内に入ろうものなら、絶対にブロックされて外には出られません。競馬は馬が主役なのに、力を出せなくするような状況はいいとは思えません」と、ヨーロッパ競馬は“きたない”とばかりに語ったことがある。
ラビットの存在も無視できない。ヨーロッパ競馬では有力馬の陣営が有利な流れにするため、勝敗を度外視して
ラビット、いわゆるペースメーカーを出走させるケースが目立つ。この
ラビットがペースをつくるという本来の役目ではなく、自陣営の有力馬のライバル馬を妨害することさえあるのだ。一時は斜行などあまりにも露骨なケースが目立ったため、規制されるようになったが、ライバル馬の横に張り付いてプレッシャーをかけたり、馬群から出られなくする分には問題ない。
04年の
凱旋門賞で17着に終わった
タップダンスシチーも、先に行こうとすれば競りかけられたり、後ろの馬からは突かれたりと、厳しいチャージを受けた。
武豊騎手自身も大舞台でそれを味わっている。94年の英GIクイーンエリザベスIISでスキーパラダイスに騎乗したが、9頭立てにもかかわらず包まれて4着。シーキングザパールに騎乗して逃げた98年の仏GIムーランドロンシャン賞では、アイルランドのA・オブライエン厩舎が用意した
ラビットのメンパリに執拗に競られて5着に敗れている。
今年の
凱旋門賞では
ハリケーンラン、
シロッコ、
レールリンクを出走させる地元のA・ファーブル厩舎が
ラビットを用意するといわれている。有力3頭はそれぞれ馬主が違うので共同作戦は立てにくいが、頭数が少ないだけに有力3頭のうちどれかはディープのそばに位置するだろう。その状況でラビットがさらにディープにチャージをかければ…。こうした策は頭数が少ない方が取りやすい。ディープは包囲網をどうはね返すか。ヨーロッパ競馬を熟知した
武豊騎手の腕の見せどころでもある。
ソース:イザ!ブログランキング参加中!あなたの力でランクアップ願います。
テーマ : 海外競馬
ジャンル : ギャンブル