東京
競馬場で行われたアジア・マイル・チャレンジ第4戦、
安田記念(3歳上、GI・芝1600m)は、安藤勝己騎手騎乗の2番人気
ダイワメジャー(牡6、美浦・上原博之厩舎)が、好位追走から直線に向くと、逃げた3番人気
コンゴウリキシオーをゴール前でクビ差交わして優勝した。勝ちタイムは1分32秒3(良)。さらに2.1/2馬身差の3着には9番人気ジョリーダンスが入った。1番人気のスズカフェニックスは5着。
勝った
ダイワメジャーは、父サンデーサイレンス、母が91年クイーンCなどGIII・4勝のスカーレットブーケ(その父ノーザンテースト)、半妹に今年の桜花賞馬ダイワスカーレット(父アグネスタキオン)、全姉に00年新潟3歳S(GIII)を勝ったダイワルージュがいる血統。
04年の皐月賞(GI)を10番人気で制した後はしばらく低迷が続いていたが、05年ダービー卿CT(GIII)で久々の勝利を挙げると、その後はマイル戦線を中心に活躍。昨秋は毎日王冠(GII)、天皇賞・秋(GI)、マイルCS(GI)と3連勝してJRA賞最優秀短距離馬に輝いた。今年初戦のドバイデューティーフリー(首G1)はアドマイヤムーンの3着。今回はそれ以来の出走だった。通算成績23戦8勝(うち海外1戦0勝、重賞6勝)。
安田記念全着順
1
ダイワメジャー 1:32.3
2
コンゴウリキシオー クビ
3 ジョリーダンス 2.1/2
4
アドマイヤキッス クビ
5 スズカフェニックス クビ
6 エイシンドーバー クビ
7 グッドババ ハナ
8 キストゥヘヴン ハナ
9 ジョイフルウィナー 1
10 マイネルスケルツィ 1/2
11 スーパーホーネット クビ
12 エイブルワン 1/2
13
サクラメガワンダー クビ
14 ディアデラノビア クビ
15 ザデューク ハナ
16
エアシェイディ 1.3/4
17 シンボリエスケープ アタマ
18 オレハマッテルゼ 5
安田記念コメント
1着
ダイワメジャー(安藤勝騎手)
「いや、正直ホッとしました。馬の状態に関しては厩舎サイドから万全と聞いていましたし、内枠をどうこなすかだけ心配していました。思った通り
コンゴウリキシオーが行ってくれたんですが、ちょっとゆっくりだなと思ったところにエイブルワンが外から行ってくれてちょうどいい流れになりました。なるべく先頭に立つのは遅らせたかったのでじっくり構えていました。
コンゴウリキシオーが楽に行っている分、捕まえるのに苦労しましたが、並んだら負けないと思っていました。年を重ねて距離がもう少し延びても色々なことが出来るようになっていますね。今日はマイルでは一番強いことを証明できてホッとしています」
2着
コンゴウリキシオー(藤田伸二騎手)
ハナに行けたら勝てると思っていたが仕方ない。勝った馬はGIをいくつも勝っているくらいだから、やはり強いね。悔しいけどサバサバした気持ち。
(山内師)
「最初に外国馬に絡まれた分、終い甘くなってしまった」
3着 ジョリーダンス(秋山騎手)
「以前乗ったときにいい馬だと思っていたので、今日のメンバーでもソコソコやれると思っていた。出た瞬間、スローになると思い、前々で流れに乗って行きました。3着になりましたが、これからもっと走ってくると思います」
4着
アドマイヤキッス(川田騎手)
「控えて直線まで我慢して行きました。内が空いて、この強敵相手に良く走ってくれました。内が悪いなりに良く伸びていますよ」
5着 スズカフェニックス(
武豊騎手)
「残念です。スローペースは覚悟していましたが、切れ味勝負のこの馬には少し辛い展開になりました。いい舞台で期待しましたが、馬場が硬くて速いのには向き不向きが出たようです」
6着 エイシンドーバー(福永騎手)
「厳しいポジションで、4コーナーを回るところでは下がってしまった。ジリジリ伸びてはいるが、内が残る流れ。大分詰めているが、自分の馬も力をつけているので、秋以降楽しみです」
7着 グッドババ(E・サンマルタン騎手)
「この馬なりによく走っているが、日本の馬が強かった。展開が違えば、3、4着はあったかもしれない。このレースに参加できたことは非常に嬉しい」
9着 ジョイフルウィナー(G・モッセ騎手)
「ペースもこの馬には速くなかったし、位置取りも悪くなかったが、最後の直線では止まってしまった。去年は3着だったが、この馬にとっては1400mがベストなのかもしれない」
12着 エイブルワン(N・キャロウ騎手)
「スタートは良かったんだけど、目の前に馬がいなかったので一気に掛かってしまった。道中ずっと引っ張り通しだったから、直線では力が残っていなかった」
15着 ザデューク(R・フラッド騎手)
「よく走っている。でもペースがこの馬にとっては速かった。もう年だからね」
安田記念アラカルト
●安藤勝己騎手
ツルマルボーイで勝った04年以来の
安田記念2勝目。JRA・GIは桜花賞(ダイワスカーレット)に続く今年3勝目、通算13勝目。JRA重賞は桜花賞に続く今年6勝目、通算49勝目。
●上原博之調教師
安田記念初制覇。JRA・GIは昨年のマイルCS(
ダイワメジャー)以来の通算4勝目(全て
ダイワメジャー)。JRA重賞は昨年のマイルCS以来の通算14勝目。
●サンデーサイレンス産駒
安田記念初勝利。これにより、サンデーサイレンス産駒の勝っていないJRA平地GIはNHKマイルC、ジャパンCダートのみとなった。
●マイルGI・2冠
マイルCSと安田記念の両レースを制したのは、ニホンピロウイナー、ニッポーテイオー、オグリキャップ、ノースフライト、トロットサンダー、タイキシャトル、エアジハード、アグネスデジタルに続く史上9頭目。
●生産者・社台ファーム
86年ギャロップダイナ、99年エアジハードに続き安田記念3勝目。
●所属
関東馬の勝利は過去10年で5頭目。他は関西馬3頭、香港馬2頭。
●6歳馬の勝利
02年アドマイヤコジーン、03年アグネスデジタル、04年ツルマルボーイ、05年アサクサデンエンに続き過去6年で5頭目の勝利。
●勝ちタイム
勝ちタイムの1分32秒3(良)はコースレコードに0.3秒差。アグネスデジタルが03年に記録した1分32秒1(良)に次ぎ、アサクサデンエンが05年に記録した1分32秒3(良)と並ぶレース史上2位タイの好タイム。
●1番人気
スズカフェニックスは5着に敗れ、1番人気馬は98年にタイキシャトルが勝って以降9連敗。99年2着のグラスワンダー以来連対もない。