【JRA 田中勝春騎手】使用サイン入り『馬鞍』コレクター垂涎の逸品!15日、中山競馬場で行われた
皐月賞(3歳牡牝、GI・芝2000m)は、
田中勝春騎手騎乗の7番人気
ヴィクトリー(牡3、栗東・音無秀孝厩舎)がハナを奪うと、15番人気
サンツェッペリンの追撃をハナ差抑え優勝した。勝ちタイムは1分59秒9(良)。さらにハナ差の3着に2番人気
フサイチホウオーが入り、1番人気
アドマイヤオーラはさらに1.1/2馬身差の4着。3連単は1,623,250円の大波乱となった。
勝った
ヴィクトリーは、父
ブライアンズタイム、母は98年府中牝馬S(GIII)2着のグレースアドマイヤ(その父トニービン)という血統。半兄に06年日経賞(GII)など重賞3勝のリンカーン(父サンデーサイレンス)、伯父に96年日本ダービー(GI)馬フサイチコンコルドがいる。
昨年11月のデビュー戦(京都・芝2000m)を5馬身差で圧勝すると、続くラジオNIKKEI杯2歳S(GIII)では
フサイチホウオーからクビ差の2着。約3か月ぶりの前走、若葉S(OP)を勝ってここに臨んでいた。通算成績4戦3勝(重賞1勝)。
皐月賞全着順
1
ヴィクトリー 1:59.9
2
サンツェッペリン ハナ
3
フサイチホウオー ハナ
4
アドマイヤオーラ 1.1/2
5 メイショウレガーロ 1/2
6 ローレルゲレイロ クビ
7 アサクサキングス 1
8 ドリームジャーニー クビ
9 ココナッツパンチ クビ
10 マイネルシーガル 1/2
11 ナムラマース 1.1/4
12 フライングアップル 1.1/2
13 サンライズマックス 1/2
14 ブラックシャンツェ 1/2
15 ニュービギニング 1/2
16 フェラーリピサ ハナ
17 モチ 3
18 エーシンピーシー 2
皐月賞コメント
1着 17番
ヴィクトリー(
田中勝春騎手)
「自分でハナを切るつもりはなかったんですが、1コーナーを周ったところでペースが落ちて、自然とハナを切る形になりました。流れとしては速かったのかもしれませんが、乗っていた感じではこの馬のペースだったんです。道中は苦労するとか気を使うとかというより、とにかくこの馬の機嫌を損ねないようにしていただけです。直線でかわされて"あー、今年も駄目だったかー"と思いましたが、差し返してくれましたね。とにかく気性の面で掴みきれないところが多くて、このあとどう工夫すると聞かれても、まだ考えが及びません。パドックで初めて跨ったとき、柔らかさとバネを感じました。改めて、凄い能力ですね」
2着 9番
サンツェッペリン(松岡正海騎手)
「今日は行ければ行くつもりでしたが、
ヴィクトリーが先に行ったので無理をせずに2番手で行きました。早め早めの競馬でこの馬の持ち味は出し切りました。状態も良かったし、2着でしたがいい競馬ができました」
3着 1番
フサイチホウオー(
安藤勝己騎手)
「ゲートもモソッという感じで出た。この馬はエンジンをかけてからジワッと伸びていく馬なので、東京が合っているかな」
4着 15番
アドマイヤオーラ(
武豊騎手)
「スタートが悪く、位置取りが後ろになってしまった。内に切り替えていったが、近くにフサイチもいた。ポジションがきつくなったし、前が止まらない展開。2分を切る時計かと思っていたし、外々は周りたくなかった。仕掛けたときの反応もこの馬らしくなかった」
5着 10番メイショウレガーロ(福永祐一騎手)
「あの流れでうまく折り合って、4コーナーでは勝ったかなという手応えだった。この馬の力は出したと思う。できれば4着に入って権利を取りたかった。まだ完成途上の馬。できればダービーに直行したかった。調教も良くなっていて、ゲートも改善されている」
8着 6番ドリームジャーニー(蛯名正義騎手)
「流れに尽きる。隊列が固まってくれていれば良かったが、縦長の展開で半端に動くわけにはいかなかった」
9着 18番ココナッツパンチ(吉田豊騎手)
「大外枠だったし、外々を周らされました。4コーナーの不利も痛かった。馬体重が14キロ減っていたけど、調教をやってのことなので仕方ない。イレ込みはマシになってきた。次は巻き返したい」
11着 8番ナムラマース(藤岡佑介騎手)
「スタートは出たが、終いを生かすためあれ以上前には行けなかった。4コーナーで仕掛けたら、いつもはハミを取る馬がハミを取らなかった」
皐月賞アラカルト
●若葉S勝ち馬
若葉Sをステップに
皐月賞を勝ったのは、過去10年だと97年サニーブライアン、02年ノーリーズンの2頭。いずれも
ヴィクトリーと同じ
ブライアンズタイム産駒だった。若葉S→
皐月賞を連勝したのは95年のジェニュイン以来。
●最少キャリアタイ
ヴィクトリーはキャリア3戦。これは76年トウショウボーイ、01年アグネスタキオン、05年ディープインパクトと並ぶ最少タイ記録。
●高配当
ワイド、馬連、馬単、3連複、3連単でいずれも皐月賞史上最高配当を記録。3連単は1,623,250円のビッグ配当となった。
●
田中勝春騎手
このレース初制覇。JRA・GIは92年安田記念(ヤマニンゼファー)以来約15年ぶり2勝目。交流GIでは05年全日本2歳優駿(グレイスティアラ)に勝利している。JRA重賞は今年のガーネットS(GIII、スリーアベニュー)に続く今年3勝目、通算39勝目。
●音無秀孝調教師
このレース初勝利。JRA・GIは06年高松宮記念(オレハマッテルゼ)、今年のフェブラリーS(サンライズバッカス)に続く今年2勝目、通算3勝目。JRA重賞はフェブラリーSに続く今年2勝目、通算23勝目。
●
ブライアンズタイム産駒
94年ナリタブライアン、97年サニーブライアン、02年ノーリーズンに続く4頭目の皐月賞制覇。通算13頭目のJRA・GI馬となった。産駒のGI勝ちは04年ジャパンCダート(タイムパラドックス)以来約2年5か月ぶり。芝GIは02年宝塚記念(ダンツフレーム)以来5年ぶり。
●近藤英子氏
JRA・GI初制覇。主な所有馬にヴィクトリーの半兄リンカーン(日経賞-GII)、カンパニー(大阪杯-GII)、レニングラード(アルゼンチン共和国杯-GII)など。ヴィクトリーの母グレースアドマイヤ(府中牝馬S-GIII・2着)も所有していた。
●ノーザンファーム
05年ディープインパクト以来のこのレース2勝目。昨年の有馬記念(ディープインパクト)以来のJRA・GI勝利。
●重賞未勝利馬の優勝
過去10年では97年サニーブライアン、98年セイウンスカイ、00年エアシャカール、02年ノーリーズン、04年ダイワメジャーに続く6頭目。うち3頭が
ブライアンズタイム産駒。
●関東騎手同士の決着
1着
田中勝春騎手、2着松岡正海騎手ともに美浦所属。美浦所属騎手同士の決着は97年サニーブライアン(大西直宏騎手)→シルクライトニング(安田富男騎手)以来10年ぶり。
●
フサイチホウオー 父ジャングルポケットと同じく、1枠1番から2番人気の出走で3着に終わった。
●
武豊騎手&松田博資調教師
昨年も同じコンビのアドマイヤムーンで出走し、今年と同じく1番人気4着だった。