世界最大の馬主軍団
ゴドルフィンが
アドマイヤムーン(牡4、栗東・松田博)獲得に乗り出し、40億円の巨額トレードを近藤利一オーナーに申し入れたことが16日、明らかになった。条件には種牡馬だけでなく、競走馬としての権利も含まれる。今月中にも合意に達して海外へ移籍。ロイヤルブルーの勝負服で飛躍する。
仰天のトレードマネーが、
ゴドルフィンを率いるシェイク・モハメド殿下から提示された。
アドマイヤムーン獲得のために用意された金額は40億円。近藤オーナーに対しては、6日に正式な申し入れがなされた。日本競馬史上、海外からこれだけ巨額のオファーを受けた馬はいない。
アドマイヤムーンは今年3月、
ドバイデューティフリーで持ち前の瞬発力を発揮し快勝。さらに香港のクイーンエリザベス2世C3着、
宝塚記念1着と、世界のG1で好走を続けたパフォーマンスが高く評価された。獲得の条件には、種牡馬としてだけではなく現役競走馬としての権利も含まれる。トレード成立の暁には、海外で競走生活を続けることになる。移籍先は専属契約を結ぶ英国のサイード・ビン・スルール厩舎が有力とみられる。
01年にステイゴールドが
ドバイシーマクラシック(G2)を勝ち、06年にはユートピアが
ゴドルフィンマイル(G2)、ハーツクライが
ドバイシーマクラシック(G1)を制するなど、日本馬は
ドバイで存在感を示してきた。レベルアップを強く認識している
ゴドルフィンは昨年、ユートピアを400万ドル(当時のレートで約4億6000万円)で獲得。今年の
ケンタッキーダービー馬
ストリートセンスを60億円、同2着ハードスパンを24億円、英ダービー馬オーソライズドを36億円(いずれも推定)で種牡馬権利を得ているが、今回の評価額40億円は、権威ある米英のダービー馬に匹敵する。飛躍的に強くなった日本馬が、世界でも一流と認められた証しだ。
既に
ゴドルフィン専属の獣医師が来日し、宮城・山元トレセンに放牧中の
アドマイヤムーンの馬体検査を終えた。あとは近藤オーナーの決断を待つばかり。早ければ今月中にも合意に達する。