27日、中山競馬場で行われたAJCC(4歳上、GII・芝2200m)は、後藤浩輝騎手騎乗の2番人気エアシェイディ(牡7、美浦・伊藤正徳厩舎)が、中団追走から直線で内を突き、馬群を割って伸びた9番人気トウショウナイトの追撃を1.1/4馬身抑え優勝した。勝ちタイムは2分13秒6(良)。さらにクビ差の3着に6番人気ブラックアルタイルが入った。1番人気ドリームパスポートは、好位追走から直線で一旦は先頭に立ったが5着に敗れている。
勝ったエアシェイディは、父サンデーサイレンス、母が98年クイーンS(GIII)を勝ったエアデジャヴー(その父ノーザンテースト)。全妹に05年秋華賞(GI)を勝ったエアメサイア、叔父に00年皐月賞(GI)、00年菊花賞(GI)を勝った2冠馬エアシャカール(父サンデーサイレンス)がいる血統。
03年11月にデビューし、2戦目で初勝利を挙げると続くホープフルS(OP)も快勝したが、骨折のため春のクラシックは不参加。04年秋に復帰後は06年白富士S(OP)、06年福島テレビオープン(OP)、06年キャピタルS(OP)とオープン特別は3勝を挙げたが、重賞では勝ちきれず、05年AJCC、06年函館記念(GIII)、06年富士S(GIII)、07年東京新聞杯(GIII)、07年中山記念(GII)、前走の08年中山金杯(GIII)と、重賞2着は実に6回。今回が15回目の挑戦で悲願の重賞初制覇となった。通算成績23戦7勝(重賞1勝)。
鞍上の後藤浩輝騎手は昨年の京王杯2歳S(GII、アポロドルチェ)以来となるJRA重賞制覇で、通算42勝目。管理する伊藤正徳調教師は、昨年の日経賞(GII、ネヴァブション)以来となるJRA重賞制覇で、通算20勝目となった。
※重賞の格付けは当面、従来の表記を使用致します。
1 エアシェイディ 2:13.6
2 トウショウナイト 1.1/4
3 ブラックアルタイル クビ
4 メテオバースト ハナ
5 ドリームパスポート クビ
6 サンバレンティン 2
7 トウカイトリック 1.1/4
8 シルクネクサス クビ
9 チェストウイング 2.1/2
10 シルクフェイマス 1/2
11 ブリットレーン 1.1/4
12 アドマイヤメイン クビ
13 ダブルティンパニー アタマ
14 ドリーミーオペラ 1
15 メイショウレガーロ アタマ
16 ゴーウィズウィンド 1.3/4
http://www.netkeiba.com/news/?pid=news_view&no=25920&category=Aレース後のコメント
1着 5番エアシェイディ(後藤浩輝騎手)
「これまで2着が多くて、オーナーや調教師がまたチャンスを与えてくれて、神頼みのような感じで、何とか勝ってくれと思って乗りました。最後は馬ごみの中から抜け出してゴールというのが理想なので、狭いところに突っ込んでも抜け出せるスペースがあればと思っていました。大きな舞台に立てる馬になったので、大きなところを狙っていければと思います」
2着 11番トウショウナイト(武士沢友治騎手)
「ぶつけられた不利が大きいですね。すぐ反応できる馬じゃないから。でも今まではエンジンがかかって上がっていってもそれで終わりでしたが、今日はまたそこから盛り返す、いい頃の動きが出ていました。復活の兆しがありますね。早め早めのレースを考えましたが、今日は馬場も味方してくれましたし、2着で賞金が加算できたのも良かったです」
3着 16番ブラックアルタイル(吉田隼人騎手)
「4コーナーの手応えは前走よりも良かったんです。先に動いたドリームパスポートを目標に行きました。しぶとく、簡単にはバテない馬なので、ドリームパスポートには勝てよと思いましたが、内から一気の脚で抜けられてしまいました。力をつけていますが、一瞬の脚がないだけに……歯痒いところです」
4着 3番メテオバースト(横山典弘騎手)
「返し馬の雰囲気がいいので期待していましたが、その通りのいいレースでした。ただ行きたがる面があるので、この距離が合うかどうかは何とも言えませんね」
5着 10番ドリームパスポート(松岡正海騎手)
「本当はもっと後ろから行きたかったのですが、3コーナーでトウショウナイトにこすられて、そこでハミを取って行ってしまいました。これが敗因というか、誤算でした。もっと我慢して行ければ……。体は問題なかったし、実戦でもいい馬だと感じましたが、勝たせてあげることができず残念です」
6着 13番サンバレンティン(石橋脩騎手)
「レース途中からハミを噛んでしまうと聞いていたし、初めての距離ということもあって、折り合いをつけて終いに徹しました。そうしたらいい脚を使ってくれましたね。この内容なら距離も大丈夫そうです」
7着 1番トウカイトリック(蛯名正義騎手)
「ズブいですね。もっと距離があった方がいいです。動きたいときに動けませんから。最後はジリジリと来てくれていますが……」
8着 9番シルクネクサス(O.ペリエ騎手)
「前に馬を置いても嫌がることなく、レース前の考え通りに乗れましたが、前の馬の仕掛けについていくのが少し早かったかもしれません。直線ではもう持続力がなくなってしまいました。残念です」
12着 7番アドマイヤメイン(田中勝春騎手)
「スタートがいまひとつでしたし、道中も後続が来たときに反応しきれませんでした」
アラカルト
■重賞初制覇
エアシェイディは過去14度のJRA重賞挑戦で2着6回、3着2回。15度目の今回、ようやく重賞ウイナーの仲間入りを果たした。
■師弟コンビ
後藤浩輝騎手はJRA重賞42勝目。師匠である伊藤正徳調教師の管理馬では通算4度目のJRA重賞制覇。
■親仔重賞制覇
伊藤正徳調教師はJRA重賞20勝目。かつて母エアデジャヴー(98年クイーンS優勝)を管理しており、母仔でのJRA重賞制覇となった。
■15年連続重賞勝利
サンデーサイレンス産駒のJRA重賞勝利は今年初めてで、通算303勝目。初年度産駒がデビューした94年から15年連続のJRA重賞勝利となった。
■エア軍団
馬主の(株)ラッキーフィールドは05年秋華賞(エアメサイア)以来のJRA重賞制覇となった。
http://keiba.radionikkei.jp/news/20080127K55.html