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北京=宮脇広久】この人も“
北京五輪で株を上げた男”のひとりだろう。野球のテレビ中継の解説を務めている
与田剛氏(42)。熱心な取材に裏打ちされた、わかりやすい解説で視聴者の評判がうなぎ上り。しかも、米スポーツ専門テレビ局ESPNで「日本人初の
メジャー監督候補」として紹介され、にわかに日米でその動向が注目されている。
五輪の日本向けテレビ中継は、JC(ジャパンコンソーシアム=
NHKと民放各局による共同体)として放映権を獲得したため、局の枠組みにとらわれず、各局のアナウンサーと解説者が混合で実況している。今大会の野球の場合、普段
NHKに所属している
与田氏と野村謙二郎氏(元広島、日本テレビ系)が交代で解説を務めている。
与田氏の人気の秘密をある民放関係者は「甘いマスク、スマートな語り口も理由でしょうが、
与田さんは勉強の量が抜きんでています。今大会開幕直前にも、
韓国とキューバの親善試合を取材するため、志願して
韓国を訪れていますよ」と指摘する。
中日入団1年目の90年に
星野監督のもとで抑えの切り札として起用され、新人では史上最多の31セーブを挙げた伝説の速球王。
今年6月にはESPN(電子版)に、元マリナーズの長谷川滋利氏、元大リーガーの吉井理人
日本ハム投手コーチらとともに名前が挙がった。「びっくりしたよ。毎年春に
メジャーリーグのキャンプ地を回って取材しているから、ESPNを含めて米マスコミに友達が増えた。だから、取り上げてくれたのかなあ」(
与田氏)
現役引退後、評論家生活が8年目に入った。昨年オフには
日本ハム・
梨田監督からコーチ就任を要請されたが、千葉に住む母親の体調を理由に北海道へ渡るのを断念した経緯がある。「そろそろユニホームを着たいのが本音だね」
北京五輪効果で今オフには各球団からオファーが殺到するかも。182センチの長身は
メジャーのユニホームもよく似合いそうだ。
ちなみに、妻は元TBSアナウンサーの木場弘子さん。「おれが嫁さんから話し方や表情の作り方を教わっているなんて話がまことしやかに出回っているらしいけど、そんな恥ずかしいことはできない。おれなりにベテランのアナウンサーに教わったり、他の解説者の話し方を研究したりしているけどね」と付け加えた。
ZAKZAK 2008/08/20
http://www.zakzak.co.jp/gei/2008_08/g2008082003_all.html