政府は、
北京五輪の競泳百メートル・二百メートル平泳ぎでアテネと2大会連続で2冠を果たした
北島康介選手(25)に対し、
国民栄誉賞の授与を検討している。政権のイメージアップにつなげたい首相官邸サイドの思惑も見え隠れするが、「表彰の基準が不明確」といった指摘もある。パフォーマンス好きではない福田康夫首相が、最終的にどう判断するか。
国民栄誉賞は昭和52年8月に首相の父、故福田赳夫元首相が在任中に創設し、第1号は本塁打世界新記録を樹立した王貞治選手(当時・巨人)に贈られた。最近では、シドニー
五輪女子マラソンを制した高橋尚子選手が受賞している。
政権側としては、大きな功績を挙げ、国民的に称賛を受けたスポーツ選手や文化・芸能人らをたたえることで、世論の好感度をアップさせたい狙いがあるが、なかなか思い通りにはいかないようだ。
高橋選手が受賞した際には、同じシドニー
五輪の柔道女子で
谷亮子選手(当時は旧姓・田村)が金メダルを獲得したが、「なぜ谷選手には贈らないのか」との批判が官邸に寄せられ、当時の森喜朗内閣の支持率が下落した例もある。
谷選手は
北京五輪でも銅メダルを獲得し、5大会連続でメダルを獲得した実績に加え、結婚や出産、子育てと柔道を両立させてきたことが国民的人気の背景にある。今回、北島選手だけが対象となれば再び議論が起きることも予想される。
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