女「...え? 何!? ちょっと......」
男「......試してみるか?」
女「へ?」
男「ずいぶん狭そうだ......入るか?」
女「な、なに?......ダメ! こわい!」
男「ダメだ、小さすぎて入らねぇ」
......な、なんの
エロ小説の引用!? とのツッコミが入りそうだが、実はこれ、テレビ東京で毎週土曜日の朝枠に放送中の女児向けアニメ『
しゅごキャラ!』(10月より『
しゅごキャラ!!どきっ』)の1シーンだ。同作はもともと、小中学生向けの少女マンガ誌「なかよし」(講談社)でPEACH-PITが連載中の看板作品。ツンデレなヒロイン・日奈森あむ(小5)が、"
しゅごキャラ"の力を借りて悪と戦う変身少女モノで、既刊7巻までの累計発行部数が約200万部というヒット作だ。
冒頭で紹介したのは、あむが持つ魔法の南京錠に、タキシード仮面的存在の相手役・幾斗が魔法のカギを突っ込もうとした、たわいもないシーンである。がしかし今年7月、「アレをアソコに挿入する場面を連想させる」「朝からこんな
エロ描写を放送していいの!?」などと、動画投稿サイトのニコニコ動画で話題になったのだ。
そこで、『
しゅごキャラ!』の単行本をチェックしてみると、露骨な性描写はないものの、ほかにも、股間の描かれ方が妙にいやらしい水着シーンや、あむが幾斗に耳をかまれて感じるシーン、実の兄妹の
近親相姦キッスなど、オタクの妄想をかき立てそうなドギマギするシーンを複数発見! 実際、「20~30代の男性も買っていかれますよ。まあ、『美少女戦士セーラームーン』など、"あの手"の作品がオタク男性にウケるのは世の常ですからね」(大型書店店員)という。また、アニメ版DVD-BOXの特典だった私服姿のあむの特大布ポスターが、「裸の上にセーターを着ているみたいに見える」として、ヤフオクで1万4000円で落札されたこともあった。さらに、10月から深夜枠で再放送も始まり、もしや制作側は大人のオタク男性にも密かにアピールしているのでは!?
話題のブログ「OHP」でオタク系作品を中心にマンガレビューを展開している、フリーライターの芝田隆広氏は、同作の魅力についてこう語る。
「オタクは"可愛い=萌え"に目がない人種ですから、徹底して可愛さを追求する作者の姿勢が、彼らを惹きつけてやまないのだと思いますね。作者であるPEACH-PITの作品はキャラの表情や服装など、とにかく画面の隅々に至るまで"可愛い"で埋め尽くされている。特にキャラの描かれ方が見事で、お人形さんのようなキャラのおすまし顔はとても美しいのですが、それがしばしば崩れ、頭身を縮めたちびキャラとして描かれます。つまり、1人のキャラで"可愛い"と"美しい"を兼ね備えているわけなんですよ」
では、
ロリコン受けはどうなのか? ジュニアアイドル事情に詳しいフリーライターの岡島紳士氏はこう分析する。
「
ロリコンにとっては、ちょっとヌルイですね。過去の似たケースでいうと、『おジャ魔女どれみ』(講談社)のほうが、おしっこを我慢するシーンや入浴シーンなど、
ロリコンにウケる性的要素が多かったように思います。児童向けの性教育マンガ『
ないしょのつぼみ』(小学館)が
ロリコン層に受けたことを考えると、直接的でない性描写に興奮できる人もいるかもしれませんが、『
しゅごキャラ!』の制作側が意図的に狙っているとは考えにくい。ただ、ユニットの"Buono!""
しゅごキャラエッグ!"など、ハロプロメンバーが主題歌を担当しているので、"三次元
ロリコン"が同作にハマる経路ができているのかなとは思いました」
とはいえ、子どもだけの作品にしておくにはもったいない『しゅごキャラ!』。本誌男性読者の方々にも、ぜひ一読をおすすめします。
(小石川光希/「サイゾー」11月号より)
http://www.cyzo.com/2008/10/post_1119.html