介護報酬の不正請求で批判が集中する訪問介護最大手
コムスン。その親会社グッドウィル・グループの
折口雅博会長(45)は、90年代に一世を風靡したディスコ「
ジュリアナ東京」をプロデュースしたことでも知られる。当時、“お立ち台の女王”としてジュリアナのもう一つの“顔”だった荒木師匠ことタレントの荒木久美子さんが豪腕会長の知られざる一面を語った。
厚労省の処分発表から3日後の8日に、東京・六本木ヒルズのグループ本社で記者会見した
折口会長は、「介護を食い物にした、といわれても仕方がない。お詫び申し上げます」と、ようやく謝罪した。だが、自分は今後もグループのトップであり続けるとも宣言-。
謝罪会見で「反省してない」と突っ込まれた
折口社長
グループ内で「将軍様」とも呼ばれていた
折口会長。そのビジネスの原点を知る荒木さんは強引な事業展開を好む
折口会長について、「一代で成功するような経営者は誰も、常識人から見たら、どこかバランスを欠いていてキャラクター的にはボコボコなところがある。
折口さんもカリスマで、なんでそこまで先走るの? といった部分があった。それで周囲とぶつかって傷つけても気にしない。一言でいえばエンペラーなんだと思います」と語る。
荒木さんは90年代初めの
ジュリアナ東京の全盛期、毎晩のようにお立ち台で踊り、テレビ番組にも準レギュラー出演。当時は日商岩井の社員としてジュリアナを立ちあげ有名になった折口会長とも親しくしていた。
「“ディスコ”が夜中の12時に終わった後『ご飯でも食べようか』と誘われて、何度か食事やカラオケなんかに行ったことがありました。あっ、でも友達も一緒で、私は口説かれなかったですよ(笑)」と語る荒木さんは、その理由をこう分析する。
「彼は頭が良くて、もの凄くプライドが高い。アグレッシブで自分がモテると思っていると感じました。自分から誘って断られると思ったら誘わないタイプで、土下座して『ヤラしてくれ』とかできる人では絶対にないんです」
つまり、既婚者だった折口会長と「わざわざ不倫するつもりもない」と隙を見せない荒木さんをムリして口説くことはなかったというワケ。
折口会長は、ジュリアナが軌道に乗るとオーナーらとぶつかって追い出され、その後、ヴェルファーレの立ち上げにも成功したが、そこでも資本の論理で冷遇されたことを契機に、自分が一国の主として振る舞えるグッドウィルを立ち上げた。
荒木さんはジュリアナの閉鎖後も、直接・間接的に折口会長の話を耳にする機会は多かったが、その上で「彼には先にやったもの勝ちといったところがあって、ちょっとズルく、ダーティーな部分もある。周囲を説得して着実に進むサラリーマンタイプではないから、小さなフィールドでも、大きなフィールドでも無理をしてどこかで叩かれるのだと思う」とみる。
言い換えれば、会社という組織では上司やオーナーらとぶつかり、今回のように、自分の会社が大きくなれば、「社会やお国とぶつかるということなんでしょう」とみているのだ。
とはいえ、荒木さんは折口会長のパワーの強さも良く知るだけに、最後に「彼は今回のことで、たとえすべてを失うことになったとしても、必ず別の何かで再起しようとするタイプですよ」と付け加えた。
さて、その荒木さんだが、医師と結婚したが価値観の違いで短期間で離婚。今もパフォーマンスチームを率いて、ホテルやクラブのイベントで得意のダンスを披露するなどタレントとして活躍。また、合間に母親が経営する銀座のクラブに出勤することもあり、自分のサイト「荒木師匠ネット」のブログで華やかな日常を披露している。