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北京=久保武司】史上最多の選手団を送り込んだ日本選手団。獲得
メダル数は金9、銀6、銅10の計25個に終わり、アテネ大会の37個(金16、銀9、銅12)より12個も下回った。
大会最終日の24日、日本オリンピック委員会(JOC)の福田冨昭団長は「金は2ケタを目標にしていたが、選手はよく戦ってくれた」と一定の評価を与えた。しかし、注文をつけたのが、野球、男子サッカー、そして
マラソンの惨敗3種目だ。
特に、批判の対象となったのが、
メダルを逃した
星野ジャパンと
反町ジャパンの“プロ軍団”。「強い選手だけを集めて、ちょいちょいと練習して勝てるほど、甘いものではない」とバッサリ切り捨てた。
選手村の入村を拒否し、豊富な資金にモノをいわせ、大会期間中は5つ星ホテルに滞在。大気汚染や食事問題など、各選手が味わったアウェーの洗礼とは無縁だったが、福田団長は「選手村に入らないとダメでしょう」と一喝し、「1年間は同じ釜の飯を食べて、強い連帯感をもってチームジャパンとして、戦わないと勝てない」と続けた。
団体戦で涙し、個人戦では納得の表情だった
福原愛も、閉会式でははしゃぎまくって19歳の素顔を爆発させた。もう一度この感動を味わうには
ロンドンを目指すしかない(共同、クリックで拡大) 故障者を出した日本陸連に対しても「
マラソンだけを特別扱いにしすぎる」と口火を切り、「調子が悪いとか、事故があってもこちら(JOC)に連絡されない」と管理能力の不足を指摘した。
今大会、日本は
メダル獲得ランクは全体の8位でベスト10入りは守った。ただし、次の
ロンドンではどうなるか。資金面を見ても、6位の豪州は200億円近い巨費を
北京大会に向けて投入。また、総
メダル獲得数が110個で、世界一を守った米国では、国が定めた「A代表」には、大会まで選手の家賃を全額負担する制度も。
アテネでの実績を踏まえて、2005年度から4年間でJOCに国から補助された選手強化費は総額で80億超。今大会、
メダルの「お値段」は高くついた格好だが、今後も
メダル数とお金が比例する流れは変わらない。
http://www.zakzak.co.jp/spo/200808/s2008082501_all.html