東京競馬場で行われた第28回
ジャパンカップ(3歳上、GI・芝2400m)は、M.デムーロ騎手騎乗の9番人気(単勝41.0倍)
スクリーンヒーロー(牡4、美浦・鹿戸雄一厩舎)が、好位から直線に向いて伸びるとゴール前で抜け出し、大外から追い上げた1番人気
ディープスカイを1/2馬身差抑えて優勝した。勝ちタイムは2分25秒5(良)。2番人気
ウオッカは3番手から馬群を割って伸び、さらに3/4馬身差の3着だった。
勝った
スクリーンヒーローは、父グラスワンダー、母ランニングヒロイン(その父サンデーサイレンス)。祖母はダイナアクトレス(毎日王冠-GIIなど重賞5勝)。伯父にステージチャンプ(日経賞-GII)、伯母にプライムステージ(札幌3歳S-GIII)、従兄にマルカラスカル(06年中山大障害-JGI、08年中山グランドジャンプ-JGI)がいる血統。
06年11月に美浦・矢野進厩舎からデビューし、3戦目で初勝利。07年ラジオNIKKEI賞(GIII)2着、セントライト記念(GII)3着など重賞でも好走を見せ、骨折による11か月の休養を挟んで転厩初戦となった今年8月の支笏湖特別(1000万下)で3勝目を挙げた。続く札幌日経OP(OP)、オクトーバーS(1600万下)はいずれも2着に敗れたが、格上挑戦だった前走のアルゼンチン共和国杯(GII)で重賞初制覇。今回がGI初出走だった。通算成績17戦5勝(重賞2勝)。
http://www.netkeiba.com/news/?pid=news_view&no=32775&category=Aジャパンカップ各馬のコメント
1着
スクリーンヒーロー(ミルコ・デムーロ騎手)
チョーキモチイイ。馬の力を信じて乗った。マツリダゴッホがとてもいい感じに見えたのでマークしていた。ゴール前で外から来られた時はオー・マイ・ゴッド、頼むから頑張ってくれと祈ったよ。
(鹿戸雄一調教師)
開業したばかりなのに素晴らしいレースに出られて、しかも勝てて、うれしいしびっくりした。ゴール前までドキドキでした。
2着
ディープスカイ(四位洋文騎手)
悔しいね。流れが遅いことは分かっていた。ただ遅かったから負けたという言い訳はしたくない。道中は前走のように掛かることなくリズム良く走れた。自信をもって乗ったし、内にいた強い馬たちをすべてかわしたんだが、前に1頭いた。
3着
ウオッカ(岩田康誠騎手)
結果的にはスローペースが響いた。スタートを出たし逆らわずに流れに乗せたが、この距離では馬任せにしない方が良かったのかもしれない。それでもしぶとく伸びたのだが…。
4着マツリダゴッホ(蛯名正義騎手)
ある程度のところまで我慢できたし頑張ってはいるが…。内容は悪くなかった。最後の大一番が残っているからね。
5着オウケンブルースリ(内田博幸騎手)
初めて一線級とぶつかったが、よく走った。スッと付けることができたし、ひょっとしたらとも思ったよ。
6着メイショウサムソン(石橋守騎手)
行き脚が以前よりつかなかった。本当は
ウオッカの位置が欲しかったんだが。久しぶりに乗せていただいて感謝しているし、よく走ってくれた。馬にありがとうと言いたい。
http://www.netkeiba.com/news/?pid=news_view&no=32784&category=Aジャパンカップアラカルト
●M.デムーロ騎手
ジャパンカップ初制覇。JRA・GIは03年皐月賞、日本ダービー(いずれもネオユニヴァース)、04年皐月賞(ダイワメジャー)に続く4勝目。JRA重賞は07年中日新聞杯(GIII、サンライズマックス)以来となる通算12勝目。日本馬と外国人騎手の組み合わせによるJC制覇は01年(ジャングルポケット&O.ペリエ)、04年(ゼンノロブロイ&O.ペリエ)に続く3例目。
●鹿戸雄一調教師
今年3月の初出走以来、通算159戦目にしてJRA・GI初制覇。JRA重賞は
スクリーンヒーローで制したアルゼンチン共和国杯(GII)に続く2勝目。
●グラスワンダー産駒
JRA・GIはマルカラスカルによる06年中山大障害(JGI)、08年中山グランドジャンプ(JGI)に続く3勝目。平地GIは初。
●祖母ダイナアクトレス
祖母ダイナアクトレスは87年のこのレースで9番人気ながらルグロリュー Le Glorieuxの3着と好走していた。
●馬主・吉田照哉氏
ジャパンカップ初勝利。JRA・GIは04年マイルCS(デュランダル)以来約4年ぶりの勝利。
●生産者・社台ファーム
ジャパンカップ初勝利。JRA・GIは高松宮記念(ファイングレイン)、中山グランドジャンプ(マルカラスカル)、皐月賞(キャプテントゥーレ)、ヴィクトリアマイル(エイジアンウインズ)に続く今年5勝目。
●単勝配当
単勝4,100円は、84年カツラギエースの4,060円を上回る
ジャパンカップ歴代単勝最高配当。
●関東馬の勝利
04年ゼンノロブロイ以来4年ぶり。今年を含めた過去10年の内訳は関西馬6勝、関東馬2勝、英国馬1勝、伊国馬1勝。
●4歳馬の勝利
06年
ディープインパクト、07年アドマイヤムーンに続く3連勝。今年を含めた過去10年の内訳は4歳馬7勝、3歳馬1勝、5歳馬1勝、6歳馬1勝。4歳牡馬によるJRA・GI制覇は今年初。
●馬名の由来
銀幕のヒーロー
http://www.netkeiba.com/news/?pid=news_view&no=32779&category=A