競馬史に残る
武豊のJRA新人年間最多勝記録(69勝)を大幅に上回る91勝を上げ、広くスポーツ界のニューヒーローとしてその名を轟かせた騎手の
三浦皇成が、10月30日付で所属していた河野道文厩舎から独立し、フリーとなることが発表された。しかしこの独立に懸念を表明する競馬ファンも少なくない。というのも、
武豊ですらフリーになったのはデビュー6年目。三浦のデビュー2年目、19歳での独立は、異例中の異例だからだ。独立に足る実力を備えているのかどうか、疑問の声が沸くのも当然である。
ほしのあきとの熱愛騒動が勃発した当初、デビュー前から三浦をバックアップしてきた河野師がブログ上で「いい年して19歳の子ども相手に」とほしのを批判し、三浦を子ども扱いしたことがあったが、実際に三浦の未熟さをうかがわせる事件があった。
去る10月4日に行われた秋のGⅠレース第一弾、第43回スプリンターズステークスで事件は起きた。三浦が騎乗した
キンシャサノキセキの強引な進路取りで、シーニックブラストとの間に挟まれたグランプリエンゼルは脚を3本外傷してしまった。グランプリエンゼルを管理する矢作芳人調教師は、公式ブログにて愛馬を襲ったアクシデントを悔やみ、「レースを見た方ならご存知だと思うが エンゼルは内からきた馬の強引な競馬と エンゼルより100キロ以上重い外のシーニックブラストに挟まれて」と、直截的な物言いではないものの、レースをちゃんと見ていた人間にははっきりとわかるように、三浦の騎乗ぶりを批判している。グランプリエンゼルを挟む形になったもう一方の当事者であるシーニックブラストは、その後
キンシャサノキセキに乗り上げるように接触する形で失速し、結局最下位の16着に終わるのだが、レースのパトロールフィルムを見返すと、三浦は接触以前にシーニックブラストの方を振り返り確認している様子が見て取れる。明らかに接触は覚悟の上での位置取りであり、その進路を取ることで、シーニックブラストが接触を恐れて引くことを期待していたとでもいうのであれば、それはそれで勝負師としての勘にケチをつけざるを得ない。
勝負事の世界において、ダーティーな騎乗を完全に否定することはできないが、スプリンターズステークスにおける三浦の騎乗は、明らかに「汚いことをしてでも勝つための騎乗」ではなく、「技量不足ゆえの、騎乗馬のみならず他馬にも迷惑をかけるばかりの騎乗」でしかなかった。シーニックブラストのザーラ騎手の騎乗にも問題がなかったとは言えないが、それ以上に三浦の騎乗はお粗末なものであった。
デビュー2年目の騎手が下手であるだけなら、それほどおかしい話ではない。ところが問題は三浦本人の認識である。三浦はブログにて、「
キンシャサノキセキは4コーナーの中間あたりで 外国馬に乗っかけられてしまいリズムが狂っちゃいましたし あれがなければ......とは思いますが、 でも、これも競馬ですし勝負の世界なので そういう位置にいた自分ももちろん悪い」と記している。なるほど三浦は河野師の言うように、「19歳の子ども」であるのだろう。全ての競馬関係者にとって、GⅠレースがどれほど特別なものであるのかを理解していれば、このような軽率な発言ができるはずもない。
そんな三浦の11月1日時点での今年の勝利数は70止まりであり、他の若手騎手に比べれば破格の成績を上げているものの、デビューが3月1日のため騎乗期間は10カ月であった初年度の91勝に届くかどうかは微妙なペースである。新人騎手の減量特典がなくなったことを考慮に入れても、
武豊は2年目にGⅠ菊花賞を含む113勝を上げ、勝率・連対率ともに大きく伸ばしている(三浦はどちらも1年目の数値を下回っている)ことを考えれば、明らかに停滞していると言ってよいだろう。
いくらリーディング上位で話題性抜群の騎手とはいえ、人間性は幼く、騎乗技術もまだまだ未熟となると、フリーになったことが吉と出るか凶と出るか。所属厩舎に気兼ねなく騎乗馬を選べるというよりも、むしろ騎乗馬を確保するのが難しくなってしまう可能性もある。この独立によって、芸能事務所(株式会社エクセリング)に所属しユニクロの新CMにも出演中の三浦は、厩舎作業などの雑務から開放され、より様々な仕事に関わることができるなど、多くのメリットも見込めるが、本業の方はどう転ぶのか――。
また、ほしのとのけじめをつける意味合いで独立したという側面も少なからずある。河野師は二人の熱愛報道に関するブログエントリーにて、JRAと様々な折衝を行ったことを示唆しているのだが、それを受けたJRAよりフジテレビに厳重な注意がなされ、ほしのが司会を務める競馬番組の司会交代が決定したのではないかといわれている。フジは予定通りの交代とアナウンスしているが、この時期の司会交代および発表は異例である上、三浦とほしのが本当に交際していて番組を降板しないとなれば、JRAの謳う公正競馬は成立しなくなってしまう。やはり突然の司会交代劇の背景には、二人の交際があると見るのが自然だ。であれば、豊胸疑惑をかけられながらも過酷な芸能界をサヴァイブしてきたあき姐さんの手綱さばきで、三浦を名実共に天才騎手とするべく基本的な礼儀からきっちり調教していただきたいものである。
http://news.livedoor.com/article/detail/4435516/