●未曾有の大不況にファンは辛酸をなめているというのに
いったいどこの国の話なのか。
横浜の
三浦大輔投手がさる17日にFA宣言。すでに横浜は3年総額10億円(推定)の条件を提示。これに対し投手補強が最優先の
阪神は、4年総額12億円ともいわれる条件でライバル球団のエースを狙っているという。
残留か、移籍か、「気持ちは固まっていない」と言う三浦だが、それにしても、このFAバブルに鼻白む思いのプロ野球ファンは少なくないはずだ。経営コンサルタントの菅野宏三氏もそのひとり。
「今年の秋以降、世界経済悪化と金融危機が日本を直撃。企業は軒並み減産、リストラを行い、経営者やサラリーマンたちは悲鳴を上げている。この日(18日)受け付けが始まった都内中野区の緊急経済対策資金の受付には、上限500万円を借りようと長蛇の列ができた。そういうご時世にあって、赤字球団ばかりといわれるプロ野球界だけがどうして、これほど景気がいいのか。マウンドに上がれば必ずしも素晴らしいピッチングを見せるわけでもない34歳の投手(今季21試合、7勝10敗=防御率3.56)がですよ、年間に4億も5億円もの給料を手にするなんて浮世離れも甚だしい。辛酸をなめている経営者でなくても、冗談じゃないと怒りを覚える人は少なくないはずです」
●人件費高騰のシワ寄せはファンへ
02年オフ、当時の近鉄でFA宣言した中村紀に対し、残留を求める球団は、4年20億円プラス出来高払いで契約。その後、経営再建中の近鉄グループの足を引っ張り続ける球団は04年オフ、オリックスと合併、消滅した。
球界が合併騒動に揺れる頃、当時の近鉄本社の山口昌紀社長は「なんで中村みたいなアホに5億やらなあかんの」と語って物議をかもした。
自分たちで年俸を決めておいて「アホ」もないものだが、今は当時より社会情勢も、選手を見るファンの目も厳しくなっている。
「プロ野球は毎年オフになるとFA選手の争奪戦が話題になるが、人件費高騰のツケはチケット代のアップなどにつながり、結局はファンにシワ寄せがきているのではないか。もしそうだとすれば納得できない。例えば、家族4人で
ディズニーランドに行けば飲食も含めて2万円以上はかかるそうだが、あそこはお客を裏切りません」(前出の菅野氏)
野球人気の地盤沈下はバカげたFAバブルと決して無関係ではない。
http://news.livedoor.com/article/detail/3911136/